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2012年08月30日 17:39
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‘島嶼戦争’を呼ぶ中国の大海洋戦略
米国を軸とした韓・日の軍事的同盟が強化される方向で独島問題を扱うべきだ!

韓・ジョンソク(未来韓国)

地図を広げて東アジアを見ると小さな島々が散らばっている。この島々は海に孤立しているように見えるが、島々を繋げて見るとそれぞれの線が浮かぶ。いわゆる‘列島線’というもので、これは海戦では防衛線になる。換言すれば、一国の生死を分ける戦線であると同時に繁栄を約束する貿易航路だ。今日この島々をめぐる東アジアの領有権紛争の原因はまさにここにある。では、今ここで何が起きているか。
李明博大統領の独島訪問(8月10日)を契機に、東アジアの領有権紛争が新しい局面に展開しそうだ。李大統領の独島訪問に日本政府が強力に抗議するや、香港の示威隊が8月15日尖閣諸島に奇襲上陸した。日本政府は尖閣に上陸した香港示威隊を二日で早期送還して中国との摩擦を避けようとしたが中国内の反日示威が拡散し日本製の警察パトカーが放火され日本料理店が襲撃される事件が起きた。
李大統領が独島を訪問した後、日本市民団体が尖閣に上陸すると中国外交部の泰剛報道官は‘日本の右翼分子たちが不法行為を通じて中国の領土主権を侵害した'と非難した。日本も直ちに反応した。日本外務省の佐々江事務次官は駐日中国大使に、尖閣諸島は日本が実効支配する固有領土で、日本人の上陸は‘国内問題'であり、中国の抗議を受け入れられないと伝えた。
独島を巡る韓・日の葛藤が、日本と中国の領有権問題や日・ロ間の領土紛争まで刺激している。ロシアの太平洋艦隊は8月15日、日本との領土紛争地域である国後と択捉島に戦闘艦2隻を派遣する計画であると発表した。
目的は第2次世界大戦当時日本軍と戦闘で亡くなったソ連軍将兵を追悼するためだった。ロシアはさらにこの艦艇は来る25日から9月17日まで国後と択捉島はもちろん、戦跡地であるパラムシル島も訪れると艦隊スポークスマンが発表した。

領有権紛争、避けられないなら対応せねば
東アジアで展開されるこういう領有権紛争を、われわれは単純な民族感情や主権守護の概念で見る傾向がある。また、紛争の原因を各国の海洋資源先占として見る見解もある。だが、こういう見解は短見であるという指摘があって注目される。東アジアの領有権紛争の本質は他でもない中国の膨張的海洋戦略とこれに対抗する米国の封鎖戦略が衝突するためだとの主張がそれだ。
今年の2月、世宗研究所が出した“米国と中国の東アジア海洋戦略と韓国の海洋安保:鄭喆皓研究委員”という報告書には、“米・中の南シナ海の海洋統制権競争と葛藤の影響”という副題がついている。その内容を少し見てみよう。
この報告は、まず現在展開されている東アジアの領有権紛争、特に中国の南沙諸島紛争の原因は、大陸勢力だった中国が海洋勢力へと進出しようとする‘大海洋戦略’の変化のためであると把握している。この戦略が米国と日本を大きく刺激しており、韓国もこの影響圏の中に置かれていると見る。
特に米国は、中国を封鎖のため日本-韓国-台湾-フィリピンの軍事基地に加えてベトナムと軍事的パートナー関係を構築する過程で、中国の海上防衛線が沿海中心から大洋へと拡大するのを憂慮していると報告書は指摘している。
この現象が深化すれば、米国のウォーゲーム・シミュレーションは、2028年頃米国と中国の間で戦争が避けられないという。したがって、現在の東アジアの領有権紛争は単純な民族感情や愛国心、そして資源問題という皮相的理解を超えて中国と米国の海洋戦略の衝突過程と理解すべきだと指摘する。
これを理解するためには軍事戦略においての海洋戦略の歴史を顧みなければならない。戦争において海洋力は非常に重要な地位を占めてきた。海洋力は古代から今まで国力の拡張のため戦略的に地政学的(geopolitics)側面や地経学的(geo-economics)観点で国力の要素の中でも大きい比重を占めてきた。
古代にはギリシャとローマが、中世にはアラブとベネチアが地中海を制覇し、近世にはポルトガルとスペイン、そして英国が大西洋と太平洋、インド洋で海洋支配権競争を通じて植民地争奪戦を行った。

海洋力の増強が紛争解決の方案
18世紀に絶頂を迎えたポルトガルとスペインの全盛時代を経て、英国、フランスとオランダに続くヨーロッパの植民地拡大は、海洋力の優勢を通じて行なわれ、植民地への強圧的外交を通じて国力の膨張が続いた。
英国は植民地拡大を通じて世界貿易で優位を占め、1805年のトラファルガー(Trafalgar)海戦でスペイン艦隊を制圧した後強大な海洋国家の地位を構築してパクスブリタニカ(Pax Britannica)を成し遂げた。19世紀には日本、ロシア、米国が20世紀の海洋支配権を掌握するための戦争を行い、第2次世界大戦から米国が世界最強の海洋強国の地位を固めてパクスアメリカーナ(Pax Americana)をなした。このような歴史的事実は‘国家の興亡盛衰は制海力と密接に関係している’という点を示す。
こういう海洋力において中国は伝統的に大陸勢力として孤立してきた。1950年代の毛沢東政権は、軍事戦略家マハン(Mahan)提督の大洋戦略論に非常に批判的でこれに基づいた米国の海洋戦略を嫌悪し人民解放軍を地上軍中心に大陸戦略を展開してきたと言われる。ところが、鄧小平の改革開放政策以後中国は制海権と制交通権を主張しながらマハンの大洋戦略論を受容れ、中国の海洋力建設と海洋支配を追求し始める。
中国は南シナ海の島嶼らを歴史的に占有してきたと言い中国の領土だと主張している。1992年2月25日制定した‘領海と接続水域’法令は、“中国の領土は東沙諸島、西沙諸島、中沙諸島と南沙諸島をはじめ近隣のすべての島嶼を含む”と明示し、これと関連した法令を1998年と1999年に制定して南シナ海のすべての島嶼に適用すると主張している。

中国の海洋膨張戦略が領有権紛争を惹き起こす
このような中国の姿勢が分かれば、われわれは天安艦事件(2010年)後米国が西海(黄海)に航母を進入させようとした理由と中国がこれに大きく反発し“黄海は中国の内海”と国際法に違反する主張を言った背景も分かる。
中国が以前の海洋防衛線だった沿岸から外部へ膨張させることに対して米国はこれを認めないというメッセージだったわけだ。したがって中国は必要なら韓半島の西海上の島嶼や南海の島嶼を自国領と主張する可能性が高い。そのような現象はすでに去る3月、中国が離於島を自国領と主張したことで現れ始めた。
中国の劉賜貴国家海洋国長は去る3月3日新華社通信とのインタビューで、‘離於島が中国管轄海域にあり、監視船と航空機による定期巡察範囲に含まれている'と言って離於島に対する管轄権を主張した。問題は簡単でない。中国が尖閣諸島問題が解決されたら離於島への主権を主張するという観測も提起されているからだ。
ベトナムの元駐広州(中国)総領事のズオン・ザイン・ジ氏は、‘韓国は日本との争いを過熱させていることで、中国の罠にはまっている。韓国は中国と、黄海の入り口にある離於島(中国名・蘇岩礁)をめぐり係争していることを想起すべきだ'と警告(産経新聞8月18日)した。つまり“中国は今は、韓国との係争を見ぬふりをし、中国とともに韓国を日本との争いに集中させている。だが、中国は日本との問題が小康状態になれば、矛先を韓国へ向けるだろ”というのが元総領事の主張だ。

制海権を巡る米・中の代理戦の可能性も
それでは気になることがある。元中国駐在ベトナム総領事が韓国の離於島問題を言及した背景は何だろうか? この質問は米・中の覇権戦略を理解するのに非常に役立つ。
戦争の原因を複合的に研究したオガンスキー(A.F.K. Organski)とクグラー(Jacek Kugler)は、著書の‘戦争の原簿’(The War Ledger)で、歴史的に一つの国の国力増加は国際体制の変化を模索するようになり、こういう変化が国際秩序に大きな不安定をもたらし、戦争を惹き起こす方向に進行すると主張した。
こういう省察は、最近中国の軍事力の現代化と戦力増加が中国の攻勢的な対外政策であるという点と、この現象が一部の専門家たちが主張する中国の現状維持政策とは違って米・中が潜在的な敵対関係に発展する過程で、米国と軍事的協力関係を図るベトナムとフィリピンなどが、中国と代理戦(Proxi war)を行う可能性があるということだ。この可能性に対して世宗研究所の報告書は‘米・中間の現状打破’のシナリオという観点で解釈している。この戦争はこう始まる。
まず、中国は南シナ海を統制するための海洋境界線である‘第1列島線(FirstIsland Chain)’を設定し海軍の戦力を増加させ、将来海上統制権の領域を‘第2列島線(Second Island Chain)’まで拡大する目標を持っている。
中国が設定した第1列島線は南シナ海の南沙諸島を自国領と主張しこれを基準として領海を設定しているのは1958年後数回修正補完されて最近1994年から効力が発生している国際協約である‘国連海洋法(UNCLOS:UN Convention on the Low of the Sea)’に基づいての措置だ。
問題は、南シナ海の沿岸各国が主張する‘排他的経済水域(EEZ)’で発生する。これが現在の紛争の原因だ。中国がさらに長期的に大洋海軍力を建設して日本の南部から米国のハワイ近隣海域を経てオーストラリアの北部海域まで達する‘第2列島線’まで活動領域を拡大する場合、米国をはじめとする日本、オーストラリア、フィリピンなどとも海洋統制と航路の安全性を確保するための軍事的競争が引き起こされると展望される。そういう現象が打破される形態がまさに戦争だ。

韓・米・日の軍事同盟を強化すべし
それでは、こういう中国の海洋膨張戦略に対してわれわれはどう備えねばならないのか。
世宗研究所の報告書は先に‘韓・米軍事同盟’の強化を指摘する。米国の海洋戦略には空軍戦略が含まれる。したがって、現在米国の第7艦隊の空・海戦の機動力と韓国の空・海軍力がどう結合されるのかという問題が中国の海洋膨張戦略に対応する最も重要なポイントとして浮上する。済州海軍基地はまさにこういう延長線上にある。済州海軍基地を単純な海軍戦力のためのものでなく空軍基地としても活用しなければならないという主張がそれで提起される。
こういう観点から、独島問題のため韓日間の軍事協力の可能性が萎縮したり消失するのは望ましくない。同時に、米国が進める東南アジア国家との協力を通じてのフィリピン、ベトナム、マラッカ海峡付近の国々をはじめ、インド、さらに中東国家らと軍事協力ができる海洋戦略を駆使する必要があると報告書は提案している。
そういう提案の背景には、今まで大韓民国の海洋戦略が沿岸防御という消極的次元に留まったため脆弱な海軍力が天安艦事態のような悲劇をもたらしたことがある。こういう海洋戦略の先進化がつまり中国の離於島領有権問題などへの唯一の対応戦略という点は説得力がある。特に、独島問題の場合、大韓民国の強力な海軍力が中国の黄海と南海への膨張戦略で日本に防波堤になり得るという点を米国とその同盟国に説得する必要があるという。
結局、独島問題は韓・日間の問題を超えて東アジアの平和と安保の問題であるという大きな枠組みの中で両国の政治家たちが捉えるべきだということと、米国を軸とした韓・日の軍事的同盟が強化される方向で独島問題を扱うのが韓国に有利だという点を悟る戦略が要請されると言える。

韓・ジョンソク編集委員kalito7@futurekorea.co.kr
*この文の出処は<未来韓国>です。
www.futurekorea.co.kr 2012-08-27 18:13

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