北京代表部に駐在していた北韓保健省の幹部が、家族とともに亡命したことが明らかになった。金正恩一家の専用医療施設などを管理する保健省1局に所属していたとされる。5日付の中央日報などが報じた。一時は親族がいる日本への亡命を望んでいるとの報道もあったが、菅義偉官房長官は「そのような事実はない」と否定している。なお、北京代表部からは別の幹部も家族とともに韓国に亡命したという。
今年に入って北韓の高官が亡命するケースが相次いでおり、8月には駐英公使の太永浩氏の韓国入りが明らかにされたばかりだった。高官の相次ぐ亡命・帰順は、幹部の忠誠心低下と北韓政権の不安定さを示すものと捉えられている。
今回亡命した2人は、9月末には韓国入りしたという。朴槿惠大統領は10月1日の演説で、北韓住民や軍人らに向かって「いつでも韓国の自由な地に来ることを望んでいます」と呼びかけていたが、2人の亡命を念頭に入れていた可能性もある。なお、北韓当局は「われわれの最高指導者を侮辱し、脱北を扇動する狂った妄言だ」と反発している。 |