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2011年10月25日 23:35
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慶尚南道教育監 高永珍氏インタビュー
グローバル人材育成に力

 大韓民国は世界で例を見ない超高度成長という奇蹟を成し遂げた国家に数えられる。奇蹟とうたわれるのは、韓国が天然資源もなく国土も狭い非常に不利な経済環境に置かれた国だからだ。今まで成長の源について多くの研究と分析が行われてきたが、最も強い原動力と認められる要素がある。異常なほど高い「教育熱」と「人材育成」だ。教育力の低下が憂慮されている昨今、人材育成に特別力を入れている教育監(教育委員会委員長に相当)がいる。慶尚南道の高永珍教育監(64)だ。高教育監は本紙とのインタビューで「ビル・ゲイツやキム・ヨナ選手のようなグローバル人材を育成したい」と抱負を述べた。そして「在日韓国人のお子さんで慶尚南道の高校に通いたい人がいれば無償教育を実施しようと思う」と、破格の公約を掲げた。(昌原=李民晧)

「慶南未来教育財団」設立を推進 在日子弟に中高無償教育案も
27日に発起人大会 韓国初の試みを道民も支持

 昨年7月の就任後から教育革新プロジェクトに力を入れていますね。特に「慶南未来教育財団」設立推進が注目されます。設立目的は。
 「一言で言えば『慶南の人材を世界の人材に』していくためのプロジェクトです。第2のビル・ゲイツやキム・ヨナ選手のようなグローバル人材を育成することです。現在慶尚南道管内には小中高生が約54万人います。この中に天才や英才がたくさんいると思います。こういう学生を育成すれば、将来国家と社会の発展に大きな柱となるでしょう」
高永珍(コ・ヨンジン) 1947年生まれ。1980年に慶南大学英語教育課を卒業後、教員としてキャリアをスタート。2010年より、第15代慶尚南道教育教育監
 今までになかった試みではないですか。
 「そうです。今までは優秀な学生を支援する体系や制度的サポートが全くありませんでした。キム・ヨナ選手を見てもそうではないですか。私が見るに、キム選手が世界最高のフィギュア・スケーターになったのは、お母さんの存在が決定的でした。お母さんがフィギュアを学ばせ、真心を込めて熱心に世話をしました」
 慶南教育庁がしたいのはキム・ヨナ選手の母親の役割ということでしょうか。
 「人材育成は未来の社会に向けた核心的なアジェンダです。それを実現するためには人材を早期に発掘して体系的に支援し、戦略的に育成することが重要です。才能はあるのに生活が苦しいためその才能を育てることができない低所得家庭の人材も支援し、将来の夢を実現してもらえるように助けなければなりません。それが『慶南未来教育財団』を設立しようとする最大の理由であると同時に目的です」
 英才発掘はどのようにしますか。
 「ご指摘のとおりそれが一番難しいことです。まず学校の中から特定分野に秀でた才能を持った学生を探すべきでしょう。その後、英才教育の専門家がその学生のための支援プログラムを作ります。現在英才発掘と育成のための専門家グループを作る準備を進めています。財団は彼らが動けるように財政的な支援をし、育成は専門家に任せるのです。慶南には米国の英才スクールで教育を受けた教授がかなりいます」
 特定分野の英才を育成する計画ですか。
 「特定分野に限りません。科学、文学、スポーツ、芸術などすべての分野を対象にしようと思います。例えばサッカーの素質があるならブラジルに留学させ、音楽やデザインに才能があればロシアやドイツに送るでしょう。韓国内で学びにくい分野の英才は積極的に海外留学に送ります。既存のフレームを超え、想像を超越してこそ、ビル・ゲイツのような世界をリードする人材になれるのではないでしょうか。この反対のケースもありえます。海外の優秀な人材を国内に誘致することです。例えば外国に住んでいる韓国人のお子さんを、国内で勉強させるのです。実際慶南教育庁では在日韓国人の次世代教育支援事業を推進しようと思っています」
 支援事業は、どのようなきっかけで推進することになったのですか。
 「外国に住んでいる韓国人の子どもも我が国にとって大きな未来の資産です。特に日本はその比重を高く見ています。慶尚南道とも縁が多い所ですし。私は在日韓国人のお子さんがたとえ日本の学校に通っていようが、慶南の学生だと思っています。かつて祖国が飢えて苦労していた『春窮』の時代、在日韓国人が私たちをどれだけ助けてくれたでしょう。それも慶南未来教育財団支援対象に在日韓国人のお子さんを入れたいと思うきっかけでした。在日韓国人にお金で恩を返すことはできなくても、せめて教育でお手伝いできればという考えから出た企画です。今まで大韓民国は在日韓国人に恩恵を受けてきましたから、母国がそれを返すのに慶南教育庁が最初のテープを切りたいということです」
 具体的な計画はありますか。
 「慶南教育庁では在日韓国人のお子さんが慶南で中高の教育課程に進む場合、在学中に必要な学費はもちろん、滞在費を全額無償で提供する方針です。来年の慶南未来教育財団発足に合わせ、さらなる具体策も構想中です」
 現在慶南に、寮つきの学校はどれほどありますか。
 「寄宿舎型の高校は20校以上で、ほとんどが優秀だと評価されています。学校は都市部にも農村部にもあるので、在日韓国人の学生に選択する機会を与えようとも考えています。在日韓国人の親にしてみれば、お子さんに良質の民族教育を受けてもらう機会になるでしょう。だんだん希薄になっているという次世代在日韓国人の民族意識を回復するのに役立つと思います。慶南教育庁では小中学生を対象にした『海外同胞子女母国体験』課程と連携し、志望学生が増えるように、より具体的で体系的な教育プログラムを用意しています。期待してください」
 海外同胞子女母国体験」課程とは何でしょうか。
 「2006年から毎年、長期休暇に合わせて実施しているプログラムです。それを作ったきっかけは、大阪でのある体験でした。夕方に食事を兼ねた懇談会に出席したのですが、ある在日韓国人の方から次のような話を聞きました。『子や孫が日本の中に埋もれていくような気がします。私は子孫たちがどこに住んでいても韓国人だという自負心を持ったらいいと思っているんですが、思うとおりにはいきませんね』と。それを聞いて涙が出ましたね。その元老クラスの方の声が耳に残り、韓国に帰ってから推進したのが、『海外同胞子女母国体験』課程でした。ホームステイをしながら伝統食を作り、統営へ行って亀甲船に乗るなど、多様な体験をしてもらいます。今まで約180人の在日韓国人の子どもがこのプログラムに参加しましたが、参加者の満足度は高いです」
 11月に日本訪問を計画中だと聞きましたが。
 「姉妹提携をしている山口県での交流行事参加のために行きます。その後18日から大阪、名古屋、東京など日本の主要都市を回る予定です。慶南出身の在日韓国人有志にお会いして、来年発足する慶南未来教育財団の説明をしようと考えています。この機会に在日韓国人のみなさんから多くの関心と声援を得られればと思います」
 財団の基金拡充はどのようにするお考えですか。
 「難しい課題の一つです。基金は教育庁が援助してくれる100億ウォンと慶尚南道や市・郡などの地方自治体、教育科学技術部の特別交付金250億ウォン、個人・企業からの寄付金など500億ウォンを目標額として設定しています。道民の意識調査や討論会などを通じて、全道民を挙げての基金作りの雰囲気が広がっています。意識調査の結果、財団設立を支持してくれる道民は80%以上でした」
 財団はいつ設立されますか。
 「10月27日に設立発起人大会が開かれます。今まではさまざまな法的・制度的基盤の確立と環境作りに力を注いできました。財団設立と運営支援に関する条例を制定(5月26日に道議会で可決)し、運営支援基金を教育費の特別会計で出すことが法的に可能になりました。これとは別に地域住民を対象に1対1の意識調査を実施し、学術セミナーの開催、政策課題報告書も作りました」
 同様の試みはほかにありますか。
 「法制度まで整備して設立される教育支援財団は、全国16の市・道教育庁で慶南教育庁が初めてだと言われます。このままいけば来年2月初旬には財団設立許可と登記が完了するでしょう。3月頃には道民だけでなく海外の人まで網羅する道民挙げての財団発足式を行う計画です。世界の人材を育成するために、みなさんのお気持ちを集めています。なにとぞ日本にいらっしゃる在日韓国人の方も、惜しみない声援を送っていただくようにお願いいたします」

韓国留学 大学進学などの事情

 韓国留学といえば、主に大学以上の高等教育機関が中心になってくる。語学留学、学部への留学、大学院への留学、大学間協定による交換留学などがあるが、当然出願資格は各機関によって異なるので、事前の確認が必要だ。
 英語で授業が行われる一部の学校を除き、大学と大学院では韓国語で授業が行われる。大きな大学なら学校付属の語学学校が併設されているため、交換留学でなければ、1年ほど学んで語学力をつけた後に進学するケースが一般的だ。
 授業料は文系・理系や公立・私立によって大きな開きがあるため、こちらも志望校に問い合わせるのがいいだろう。授業料は年間40万円以下になることもあれば100万円を超えることもある。概して日本の大学と同水準の額といえよう。
 韓国の国際教育振興院 (www.studyinkorea.go.kr/)では各種奨学金の案内もしている。同サイトでは学校の検索から各種手続きの案内まで、幅広い情報が整理されているので参考にしてほしい。毎年1月か2月には、各国での留学セミナー情報も開示される。

日本人学生も増加 語学研修が約半数

 韓国の教育科学技術部の統計によると、韓国の大学以上の高等教育機関で学ぶ日本人の数は2010年の時点で3876人となっている。一番多いのは語学留学で、約半数から6割が語学学校に籍を置いている。
 最近では韓国の大学と姉妹校提携する日本の大学も増えているため、大学(専門学校含む)に在籍する日本人学生の数は右肩上がりになっている。直近の数字では900人弱の日本人学生が韓国の大学で学んでおり、その約9割は人文社会系を専攻している。大学院(修士・博士)はともにほぼ横ばいとなっている。
 ある大学付属の語学学校によると、10年ほど前からの「韓流ブーム」で日本人学生が急増したという。そのため中年女性が一時は多かったが、今は10代後半から20代前半の生徒が再び主流になりつつある。授業は原則として午前中だけになっていることから、日本人駐在員が学びにきている。
 語学学校は大学に併設されたものと市中の語学学校の2種類に大きく分けられる。ほとんどの学校は、高校卒業の資格を有している者にのみ入学資格を与える。1期は1日4時間で週5日、10週間(200時間)となっているのが一般的だ。

2011-10-26 4面
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