アンドレイ・ランコフ(国民大学教授)
「北朝鮮の中国式改革開放は不可能だ。理由は、自由民主主義と市場経済を土台に中国より良い暮らしをしている韓国が存在するからだ。韓国が北朝鮮より豊かに暮らしている事実を北朝鮮の全住民が知るようになるその瞬間から統一は避けられない大勢になるだろう。」
ロシア出身の対北専門家のアンドレイ・ランコフ博士は、12月18日、国際外交安保フォーラム(理事長金顕煜)が主催した招請講演(「北朝鮮の未来に備える方法」を主題)で、「今韓国の最も大きな問題は、北朝鮮を正しく見ていないことだ」と指摘した。
ランコフ博士は、「北韓という独裁国家の本質を知らねばならない」と言い、「北朝鮮が改革・開放ができない理由は、中国より豊かな韓国という国があるということだ。北朝鮮の改革・開放を防ぐのは逆説的に韓国の経済成長だ」と話した。
博士は引き続き、「北朝鮮は中国のように自らが改革開放ができないため、南・北韓の交流・交易の目標は、北朝鮮住民を対象に、韓国に対する肯定的なイメージを作りこれを拡散させ、彼らの体制に対して疑うようにさせることだ」と助言した。
同時に彼は、「南・北韓の人々が一緒に働く空間を作り、同時に北朝鮮の反政府勢力を支援し、国外で活動する北朝鮮民主化運動を拡散させねばならない」と強調した。
論難になっている開城工団問題と関連しては、「北朝鮮の特権層は開城工団のような南・北の交流を危険視するが、それは90%に達する一般人が開城工団を通じて、韓国が豊かに暮らしているという事実を認知するようになるからだ」と説明した。
ランコフ博士は、「それ(改革・開放)は、即ち特権層としては政治的自殺を敢行するのと同然だ。それで北朝鮮は中国やベトナムのような改革開放ができないのだ。だが、開城工団などから出るお金は専ら体制維持のため使っている」と指摘した。
同時に、「北朝鮮は韓国を孤立化させられないため希望がない。かと言って、韓国が何の援助もしないといって北朝鮮に大変なことは起きはしない。つまり、金正日がある日突然死んでも北朝鮮が変わることはない」と言い、北朝鮮体制の突然な崩壊が簡単には起きないというニュアンスを残した。
このような理由から、「北朝鮮は韓国から援助が受けられない場合も体制が崩れない。北朝鮮住民は外の世界が分からない井の中の蛙だ。そのような面では、韓国の左翼も、保守勢力も対北政策を正しく提供できずにいる」とランコフ博士は批判した。
一方、韓半島の統一問題と関連し、「中国は北朝鮮を戦略的緩衝地帯として見ているため韓半島が分断状態であるのが最も望ましいと考える。中国は韓半島の統一を望まない。北朝鮮に急変事態が起きる場合、中国が韓半島に介入する可能性が高い」と警告した。
彼は引き続き、「中国は韓半島の統一を望まないが、分断よりもっと重要なことが韓半島の安全で、一番望ましいシナリオは安全で分断された韓半島だ」と付け加えた。反面、ロシアは韓半島が戦略的に高い比重を占めていないといった。
だが、アメリカはこの国々に比べて、韓半島の統一を嫌わない唯一の強大国であるといった。その理由は、米国は東北アジアで中国との勢力均衡関係を考慮するため、統一された親米性向の韓国が米国にもっと良いためだという。
博士は、また「北朝鮮政権に対して錯覚してはいけない」と強調し、「北朝鮮で平和が生まれるようにする方法は、下から特権層に圧力を加え、民主革命といえる勢力を韓国の主導で育て、特権層を倒せるようにしなければならない」と助言した。
そのため、韓国は長い眼目で、北朝鮮政権に圧力を加えるための人を育てると同時に、脱北者と北朝鮮の若者たちにも奨学金を支援して教育し、学校、特に大学のような高等研究機関を支援をするなど北朝鮮に対する二重的接近が必要だと強調した。
フーリージョン・ニュース金泌材記者(spooner1@freezonenews.com)
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