脱北者団体などによる対北ビラ散布は、北韓住民に真実を伝える手段として歓迎されていたが、3年ほど前の文在寅政権下において禁止され、脱北者団体などは犯罪者扱いされるようになり、文在寅はどこの国の大統領かと非常に大きな怒りを覚えたものだ。
それがこのほど、尹錫悦大統領政権下の憲法裁判所において、政治的表現の自由を制限することは非常に重大であり、違憲だとする判決が下った。極めて正常な判決であり、韓国に自由民主主義が復権されつつある兆しと受け止めたい。韓国は、建国の精神からして、自由民主主義体制を堅持しなければならい国体であることを肝に銘じなければなるまい。
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思えば、北韓の金与正が対北ビラについて、阻止する法律を作れ、などと盲言した直後に、金与正の忠僕であるかのごとく、文在寅大統領は表現の自由を侵害するとか、違憲だなどの意見には一切耳を貸さず、「対北ビラ禁止法」を成立させた。まさに驚天動地の立法だった。
その後、裁判所で憲法違反の司法判断が下されるだろうと期待していたのだが、そうはならなかった。時の大法院長は、文在寅が任命した人物であり、三権分立の精神を忘却して、文在寅に忠誠を尽くす従僕であったからだ。
そのため、文在寅大統領のペテン行政は、司法の援護を受けて国中に蔓延する気配となり、国家破壊工作があからさまに見られるようになった。司法のみならず、マスコミもそうだった。
政府がマスコミを取り込むその巧妙な手口は、大庄洞疑惑に絡んで、先の大統領選挙の際に仕組まれていたことが明らかになってきた。
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野党代表の疑惑事件を、尹錫悦大統領候補が関与しているかのごとくフェイクニュースを捏造したのだ。そのフェイクニュースをインターネットやKBS、MBSなどの大手マスコミも吹聴し、拡散した。
多くの人は、大統領選挙が終わるまで、それがフェイクニュースであることを知らなかった。真実を報道すると信じられているマスコミが、まさか虚偽の報道を拡散するとは思わなかったからだろう。マスコミの天に唾するとんでもない悪行だ。
文在寅大統領に与して国民をペテンの渦に巻き込んだからだ。国家を滅亡させかねない、ゾッとする戦慄すべき誤報と言いたい。
そうしたことが影響したのか、当初、圧勝予想の尹錫悦大統領候補が、僅差で李在明候補に勝利するという結果になった。もし尹大統領が誕生していなければ、現在の韓国は自由民主主義が封印された左翼ファッショ政権の金正恩を崇拝する地獄の苦しみを味わっていたかもしれない。
また、野党議員が、脱北者の太永浩議員を「ゴミ」と罵ったことも物議をかもしている。「ゴミ」という表現は、野卑な言葉遣いしか能がないように見える金与正の発言を受け売りしているようなものであり、今の国会は北韓スパイもどきの議員らが跋扈しているようにも感じる。
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北韓住民を解放することも、韓国の大きな使命であり、北韓住民を温かく歓迎することも韓国民の責務であるべきだ。それを「ゴミ」と罵るのは獣以外の何ものでもない。
尹大統領による「反国家勢力」の掃討闘争を「恐ろしい」「検察政治」などとなじる大手マスコミもあるようだが、韓国を自由民主主義の正常な国家に戻すためには、北韓スパイと言ってもいいほどの国家破壊勢力の一掃を果敢に実行しなければならない。
それが、自由民主主義国家の韓国の正義だ。(韓登) |