建国節を迎えて大韓民国が現在、直面している多くの問題のうち、安全保障と法治、そして国民の基本権に関する三つの問題について紙面を通じて読者たちと意見を交換し政府にも説明を求めたい。
ウクライナ戦争によって国際秩序が激変している中、尹錫悦大統領が今週、米国を訪問。バイデン大統領、岸田首相と三者首脳会談を行うという。韓米日の安保協力が議論される予定だ。注目せざるを得ない。
ちょうど、ロシアのショイグ国防長官が先月27日、平壌で開催された停戦協定70周年の行事に参加した。ソビエト連邦が解体した後、北韓との軍事同盟を解消したロシアが、ウクライナ戦争と関連して韓国がロシアに敵対する国々との関係を強化することに対してのロシア側の対抗措置だ。
内外の専門家の中には、冷戦時代のように「韓・米・日」対「北・中・ロ」の対決構図が再びできたという主張も出ている。これは無責任な考えだ。もちろん、南・北韓は過去75年間、ゼロサムの戦争をしてきた。これは当然だ。大韓民国は建国後、個人の自由と安全を拡大する文明の方向に疾走し、平壌の金日成王朝は、正反対に野蛮な封建全体主義邪教体制を作ったから、相互妥協は不可能だ。ゆえに大韓民国は、世界中のどの国よりも強力な軍事力、抑止力が必要だ。
だが、国際秩序のパラダイムが急激に変わっている文明史的転換期に、大韓民国が過去の対決構図を慣性的にさらに強固なものにするのは決して冷静で現実的な行動と言えない。
第一番目に、韓国が、共産全体主義を清算して新たに発展するロシアを敵対する理由があるのかという問題だ。韓国は中共と平壌側を牽制するためにも、ロシアとは良好な関係を発展させるのが望ましい。
ロシアに対する人種的敵対感から計画されたウクライナ戦争に対して、西欧でもすでに反省の意見も出ているのに、韓国がウクライナの代わりにロシアに敵対する役割を担うのは国家的自害行為と言うしかない。同盟は管理の対象であって、強制や抑圧の装置ではない。同盟に犠牲を強いる米国が同盟を守るのだろうか。
二番目の問題は、8カ月先に迫った来年の総選挙と関連し、公正選挙対策に関する要求だ。 2020年の4・15総選挙はこれまで公開、確認された内容だけでも途方もない不正選挙だったと言える。尹政府はなぜ、この巨大な不正疑惑・カルテルを捜査しないのか。
尹政府の法治とは何か。事実と科学に立脚した調査と裁判を通じて不正選挙を判断するのがそんなに難しいことか。なぜ公開裁判も制限し、選挙に関連するデータと資料をそこまで隠蔽するのか。
選挙無効訴訟を進行した大法官たちの行動は鉄面皮そのものだ。韓国のすべての裁判官たちはもちろん、全国民も恥ずかしく感じている。尹大統領は公正な裁判を迅速に受ける国民の基本権が蹂躙されることをいつまで放置するつもりか。自然法的常識を尊重すれば選挙(投票)結果を検証もできないほど不透明に行われた選挙は無効とし、現国会は解散するのが正しい。
第三の課題は、改憲問題だ。不正選挙で構成された国会が改憲を推進するという。それも「改憲手続き法」というクーデター的方法で推進するという。現行憲法は、改憲についていかなる事項も下位法に委任していない。金振杓国会議長は憲法破壊の反逆罪で断罪せねばならない。政府は主権者である国民の僕で監視の対象にすぎない。 |