NATOがコントロールしてきたウクライナ戦争は、ウクライナを徹底に破壊した。
キーウ側の大規模な反撃が成果を出せない中、11日にリトアニアの首都ビリニュスでNATO首脳会議が開催される。
米英は、戦争の持続を望んでいるが、ウクライナ軍の兵力は枯渇した。無謀なバンザイ突撃などで訓練された兵力はすべて消耗した。ウクライナは戦争前に保有した兵力(50万人)の2倍ほどを失った。キーウ側は総動員令を発令し、ザポリージャ原発まで攻撃、破壊する態勢だ。ゼレンスキー大統領は、無謀な戦争を持続した責任を決して免れない。
ロシアを破壊するために始めた戦争が、西欧を混乱、分裂させた。ロシアではなく、西欧が逆に孤立に追い込まれている。EUの外交委員長は「西欧は庭園で、外はジャングル」と言ったそうだが、驚くべき世界観だ。いま燃えているのはジャングルではなく、庭園だ。
フランスで今、起きている暴動と「プリゴジンの軍事反乱」はどちらが破壊的だろうか。フランスは暴動を鎮圧するため一切のSNSを遮断したという。デジタル戒厳令だ。
ウクライナ戦争が長引き、当初隠された事実が明らかになりつつある。米英がこの戦争を本格的に始めたのは、どうもアフガンからの撤退(2021年8月)の直後だったようだ。米国はその時、ウクライナ軍に対してジャブリン対戦車ミサイル訓練を始めた。米英はアフガンでの敗走を挽回するためウクライナ戦争を強行したのだろうか。
プーチン大統領が先月、語った通り、ゼレンスキーは昨年の3月、トルコでロシアとの停戦交渉に同意した。ロシアはクリミア半島以外から軍隊を撤収することにも合意した。これを破棄させたのが米英だ。
西欧は軍事的にはウクライナ軍を代理人として使い、狂暴な経済戦争でロシアを屈服させられると計算したが、米英(NATO)の目論見はあっけなく崩れた。特にロシアと中国の戦略的連帯で、西欧がロシアを敗退させる可能性は消えた。
NATOは今、ロシアと中国を再び切り離すために苦労しているようだ。
エネルギーなど資源保有国を筆頭としたグローバルサウスは、西欧のロシア制裁に同調していない。中東では西欧の影響力は一掃された。グローバルサウスは逆に、西欧中心の国際秩序、特に貿易決済通貨システムから自由になりたがっている。ドルの流通量は減っている。金本位制まで議論されている。
BRICS、上海協力機構(SCO)、ユーラシア経済連合(EAEU)などが脱米、脱ドルに動いている。ロシアとイランが主導するEAEUが今年末までに自由貿易協定に署名する予定だ。イランは4日、SCOに正式加入した。
真実は否定し隠しても消えない。ウクライナ戦争を通じて西欧の隠してきた人種主義が明らかになった。米英はウクライナで軍事的に敗北すれば核戦争さえ辞さない態勢だ。はたして西欧は国際秩序を主導し続ける能力はあるのだろうか。
国際秩序が変わる文明史の激変期に、韓国と日本はひたすら米国を追随する。だが、バイデンの米国は、東西冷戦の自由陣営のリーダーだった米国ではない。故障し暴走する国、文明の守護者ではなく文明の破壊者のように行動している。
すべての戦争は資源を全部費やせば終わるようになっている。西欧はそれを望んでいるのだろうか。絶対多数の国々が終戦を望む。フランスのマクロン大統領は8月のBRICS首脳会議の参加に意欲を示している。
韓日は、西欧を追随するのではなく、戦争終結のため西欧とユーラシア・グローバルサウスの間で仲裁者になるべきだ。両国にはそのような資格がある。 |