ウクライナ戦争が1年を超え、国際情勢は急速に急変し続けている。米英は、ロシアに対する制裁が、効果がなかったことが明らかであるにもかかわらず、ウクライナ戦争の持続、拡大を図っている。西欧社会一般で高まる反戦世論にもかかわらず、主戦派がロシア破壊を誓っている。
ウクライナ戦争はすでに代理戦争を超えた。バイデン大統領が20日、キエフとワルシャワを訪問するなど、米国は面子のためにも自ら始めた戦争から抜け出せずにいる。米国務省政務次官のビクトリア・ヌーランドは「米国が(ウクライナの)クリミア攻撃を支援している」と明言した。プーチン大統領は、米国との戦略武器削減交渉中断を宣言した。新しい核戦力の実戦配備を進めてきたプーチン大統領は26日、核戦争の覚悟を表明した。
世界の視線がウクライナ戦争に集中しているが、この戦争はすでに様々な形で世界に波及している。ロシアは中国共産党との戦略的関係を全面的に強化。西欧が軍事的に、特に在来戦力でロシアを圧倒するのは不可能になった。米国ではトランプ前大統領が直ちに戦争を終わらせるよう求めている。にもかかわらず、米英など西欧の一角では核戦争も辞さないという不思議な態度を見せて、世界を核戦争の恐怖に陥れている。
世界は、中国とロシアが軍事同盟へ進むか否かに注目している。両国が広範囲な同盟関係を結ぶことになれば、東西冷戦時代のような陣営間の対決構図が再現される。もちろん、東西冷戦当時とは事情が違う。グローバルサウス、特に、資源富国が反西欧陣営に加担すれば、エネルギーや資源、食糧などで西欧が不利になる。つまり、この文明史の転換期を迎え、韓国人だけではなく、グローバルサウスは西欧の素顔、偽善と脆弱さを目撃したのだ。グローバリスト勢力の高圧的な姿勢は、自らを孤立させることになったのだ。すでに西欧中心だった国際決済システムに変化が起きている。アフガニスタン戦争も勝てなかった西欧が、中国と手を組むロシアに勝てると信じる背景はなにか。
東アジアでは、台湾問題に加え、平壌側の核脅威とこれに対応する韓米、韓米日の連合訓練が強化されている。こうした中、尹錫悦大統領が今春、米国を国賓訪問する問題が韓米間で議論されていると伝えられる。
米国の朝野では、尹大統領の訪米を控えて、韓国から噴出している「独自の核抑止力」保有主張に対する対応に苦心していると伝えられる。米国は、NATOと他の同盟を差別的に扱ってきた。また米国は、同盟である韓日よりも中共をより重視してきたと思われる場面もあった。韓国の立場から見れば、日本も韓国よりしばしば中共を重視したようだ。
国際秩序のパラダイムが根本的に変わる中、尹大統領は任期中に大韓民国の運命を決める歴史的な瞬間を迎えることになる可能性が高い。特に、伝統的な同盟との関係を持続できるかどうかの決断をしなければならないかもしれない。
米国のバイデン政府は、米国の保健主権の一部をWHOに渡したという。自国の主権の一部を国民的合意なしに国際機関に渡す米国が、同盟国を守ってくれると信じ難い。
尹大統領の立場では、韓日関係も楽観できない。日本が韓国との共通の利益を追求しないと決めれば、未来の共有は可能だろうか。両国の共通の利益を追求するかどうかを日本は表明せねばならない。
日本政府は2025年6月22日、1978年以来、放置してきた韓日間の大陸棚共同開発協定を終了するか、延長するかを決定しなければならない。日本政府はこれまで、韓国との共同開発は拒否しながら、中国側とは海底資源の共同開発を模索してきた。国家間の基本的信義に関する問題だ。日本が大陸棚共同開発協定の延長を拒否すれば、韓日関係は新しい次元の時代に入っていくだろう。 |