年が明けた1月、日本各地で在日韓国人関連団体の新年会が開かれた。コロナの感染状況が落ち着かない中ではあるが、対面で賀詞交歓ができる喜びはひとしおだろう▼今年の新年会で話題になるのは、韓日関係改善だ。韓国側の政権が対日関係重視の尹錫悦政権に変わったことで、両国関係の改善が期待されるという話題になる。当然、韓日関係改善は進むだろう、という前向きで楽観的な意見が多い。だが、果たしてそうだろうか▼確かに民間交流や経済関係などは、前政権下よりも活発化するだろう。コロナによる渡航制限も解除された。しかし政治的には課題が多いのが現実だ▼韓国国内では、野党に転じた主思派・左派団体の反日活動が激化するかもしれない。前回の小欄で言及したが、北韓のスパイが浸透した韓国の市民団体と、日本の市民団体の連携も懸念材料だ▼韓日両国は安全保障の面でも経済的にも協力が必要な隣国であるのは間違いない。自由民主主義という共通の価値観も共有している。両国は、互いの協力なしには発展が難しい▼韓日関係を政治的に考えたとき、立ち返るべき原点は1965年の韓日基本条約だ。両国の国民、そして政治指導者が、苦心の末に結んだ条約だ。この条約が基本となるべきである▼よく言われるのだが、韓国のいわゆる「反日」は、「官製反日」の側面が強い。今後、政権が変わったとしても、「官製反日」に踊らされることのないよう、基本に忠実に韓日関係を判断する意識を持つことが重要だろう。 |