サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会が開幕した。中東では初の開催。酷暑となる夏を避け、この時期に開催されるのも初めてのことだ▼韓国代表の初戦は24日。南米の難敵、ウルグアイが相手だ。グループステージでは、28日にガーナ、12月2日にポルトガルとの試合が組まれている▼戦前の予想は厳しい。昨シーズン、英プレミアリーグでアジア人として初の得点王に輝いた孫興民が1日の試合中に顔面を骨折。メンバーには選ばれたものの、手術を受けた直後とあって、試合に出られるかどうか不透明なためだ▼大規模スポーツイベントの前にはつきものだが、今回のW杯でも大会準備にまつわるトラブルが連日報じられた。その一つが外国人労働者の待遇だ▼実は人口約300万人のカタールでは、その9割を外国人労働者が占める。世界最貧国の一つともいえる北韓の労働者も、スタジアムの建設に従事したと言われている▼一方、スタジアムの建設現場では、37人の労働者が死亡した。それ以外の現場も含めると、年間6500人が死亡しているとの報告もある。労働者は派遣元の機関に搾取され、実際に手にする賃金は支給額の1割程度だという▼こうした暗部を抱えつつ、華やかなスポーツの祭典は幕を開けた。人々は熱戦に目を向けるだろう。自分の母国やひいきのチームがどうなるか、夜中の試合から目が離せない。いずれにしろ、熱戦が繰り広げられ、そのハイライトの中に、韓国や日本の試合が入っていることを期待したい。 |