李起昇
韓国人の男性の多くはマザコンです。それは韓国式儒教の影響によります。韓国では外のことは男性がしますが、家のことは女性が仕切ります。日本の儒教では、女性には一切の権利を認めません。明治の日本の女性は子供の時は親に従い、嫁いでは夫に従い、老いては子に従うものとされていました。しかし江戸時代までの日本の女性は、財産権も相続権も、果ては離婚する権利までもありました。離婚の文章である三行半は形式的には男性だけが書くものですが、現実には女性の方から強制して三行半を書かせて離婚していました。男が書かなければ女性の兄弟や縁者たちが男に強制して書かせました。そんな江戸時代の離婚率は五〇%に近かったそうです。
明治の日本の女性像は、藩閥政治を敷いた薩摩藩や長州藩の武士の常識で作られたものでした。その結果、女性は徹底的に権利を奪われてしまいました。戦後は大部修正が加えられましたが、それでも女性は差別され続けてきました。これに対して韓国の女性は家のことを仕切るので、家庭に関わる財産の処分権は女性が持っています。妻が同意しないとびた一文、夫は財産を処分できません。
そうやって強権を発するお母さんは、子供の教育でも自分が思う通りに仕切ります。子供たちは母親に認めてもらおうと命がけで勉強します。そして立身出世を目指します。ですから母親には頭が上がりません。そんな息子たちは結婚相手に母親的女性を求めます。しっかり者で、自分が気がつかないようなことを教えてくれ、自分を叱咤激励してくれる女性が、韓国の望ましい女性像です。韓国の男性は妻にでれでれと甘えることを期待します。女性はそんな夫をよしよし、しながら手のひらの上で操ります。韓国の儒教で育つと、男性は程度の差こそあれ、マザコンに育ちます。これは国を守るときには良い方向に作用します。母親のために死ねる兵士は強力な兵士になるからです。しかし資本主義社会に適応するにはあまり良いとは言えません。女性の能力を使わないのですから、持てる能力の半分は切り捨てて戦わなければなりません。まあ、この点は日本も同じですけどね。
在日二世の男性も殆どは一世の母親に育てられていますから、おおむねマザコンです。私と同世代の男性の多くは、私のかみさんが韓国舞踊の先生をして自由に生きていることを言うと、「良く許してるな」といいます。「許す」という言葉の意味を知っているのだろうか、と私は疑ってしまいます。彼らは妻をがんじがらめにして自分だけが甘えられる存在にしてしまいます。
女性は男性と異なり、儒教ではほったらかしです。そんな女性を韓国では韓国社会が育てますが、日本では日本社会が育てます。このため在日の女性は日本文化の影響を受けて「可愛い女」を目指します。男性に上手に甘えるカワイイ女です。ところが在日の男性はマザコンですから、妻にでれでれと甘えようとします。こういう男性は日本文化で育った女性から見ると、うざいばかりです。在日の二世以下の夫婦げんかは、その多くが、韓国文化と日本文化の衝突に原因があると私は見ています。
さて、マザコンの韓国です。ある会社のアジア統括部長が日本からやって来て、韓国側のパートナーから株を買い取る交渉をしたいので教えてくれと言ってきたことがありました。交渉のポイントは大義名分を如何に立てるか、です。派閥闘争を五百年間やって来た人たちですから、大義の立て方一つで交渉はうまく行ったり壊れたりします。で、私は言いました。「交渉が決裂したら合弁会社はなくなり、韓国から技術は失われ、失業者が出る。これは韓国にとって損失である。しかし株を譲ってくれれば事業継続が出来るし、失業者を出さずに技術も伝承出来る。最大の功労者である社長の写真は初代社長として、会社が存続する限り永遠に会社に飾られ続ける」 |