国際調査機関の発表によると、北韓で電気を供給されていない住民の数が1430万人に達することが分かった。食糧難、物資難などの深刻さは報道されているが、電気さえない窮乏した生活を強いられている実態が明らかになった。
北韓が深刻な電力難に陥っている状況が、データで確認された。
国際市場調査機関「ビジュアル キャピタリスト」が最近発表した報告書によると、電気の供給を受けている北韓住民はわずか44%であることが分かった。これは世界の平均値である84%の半分程度に過ぎない。半面、韓国の電力生産量は全国民が得られる電気供給量を超え、電気が不足する心配はない。
| 2014年1月30日、NASAが国際宇宙ステーションから撮影した韓半島の夜景。北韓には光がほとんどない(NASA File) | キャピタリストは、「北韓の人口のうち、電気の供給を受けているのはアジア最低の44%だけ」と明らかにした。
全世界で電気需給が北韓より劣る国家はマラウイ、タンザニアなど、サハラ砂漠以南に位置するアフリカの一部国家だけだ。
国際民間機構の世界エネルギー協議会も、「2019世界エネルギーシナリオ」報告書で北韓の電気供給率を39%と推定しており、キャピタリストのデータと大きな開きはなかった。世界銀行と国際連合統計局、世界保健機関などが今年5月に発表したエネルギー分野の報告書では、17年現在で北韓住民のうち電気を供給されていない住民の数が1430万人に達すると推定していた。
米国航空宇宙局(NASA)は14年1月、「夜の南北韓」とのタイトルで写真を発表し、326万人(08年現在)が暮らす北韓の首都・平壌は「小さな島」のようだとコメントした。また、平壌が放出する光の量は、韓国小都市の光の放出量に相当するレベルだと明かした。
韓国政府が把握している南北比較データでもさほど大差はない。産業通商資源部と韓国電力によると、16年現在における北韓の総発電量は239億kwhで、韓国の総発電量5404億kwhの4・4%に過ぎないレベルだ。
電力不足が続く北韓の現状に対し、ジョージタウン大学のウィリアム・ブラウン教授は最近、「米国の声放送」とのインタビューで(1)送電システムの遅れによる電気供給の非効率性(2)国家財政を電力供給改善事業ではなく軍事力に過度に投入していることなどが原因で、不安定な電気供給が数十年間続いていると指摘している。 |