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2019年11月13日 00:00
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大韓民国の建国史(173) 米国が見た韓国社会の分派主義と朴正煕の国家優先

 投資交渉団を率いる李秉喆に米国の企業家たちは、「臨界地域に特別工業地区を設置すれば投資を議論できる」と助言した。肥料工場の建設を念願する李秉喆と、精油工場の建設を推進してきた極東海運の南宮錬は、この時すでに蔚山を工業地区として考えていた。米側は、李秉喆一行をピッツバーグやデトロイト工業地区へ案内した。大韓セメント社長の李庭林が率いる欧米交渉団は、西ドイツでクルップ、シーメンスなど大企業を相手に借款交渉を行った。それから半年以内に金星社、韓日セメント、双竜セメントなどが2500万ドル規模の西ドイツ借款の誘致に成功する。本格的な外資導入の時代が始まった。
ディーンラスク米国務長官は1961年12月4日、シャムエル・バーガー駐韓米国大使宛の電文で朴正煕の訪米を高く評価した。
「朴議長は、彼に会った米国高官たちに非常に良い印象を与えた。彼は献身的で賢く、自信感があり、政府を確実に掌握しており、韓国が直面した問題の深刻さをよく知っていると見られた。米国が自由世界の指導者でかつ支援者である事実もよく理解しているようだった。彼も米国の継続的な支援約束に満足したと信じる」
バーガー大使は12月15日、ラスク長官宛の「韓国の状況に対する評価報告書」で、「韓国は今、政治的に安定し、少なくとも今後半年間は、この状態が続くと思われる」とした。バーガー大使は「去ル5月、彼らが政権を取ったときは、誰もこの将校団の正体や何をするか分からなかったが今、彼らは真の改革を推進し、正直かつ効率的な政府を作る上で、能力があり、熱心で献身的な集団であることを証明した」と絶賛した。
「彼らは政府、軍、民間部門で腐敗、不正、賄賂、密輸、脱税、政経癒着を根絶する覚悟があることを見せた。彼らは農業、産業、金融界、教育、福祉分野を改革している。彼らはすべての部門で行政を再編している。
彼らから被害を受けた人々を中心に、軍部に対して批判的かつ悲観的で、急ぎ過ぎという不満の声があるのも事実だが、正直な人なら、彼らの動機について疑問が持てなくなった。多くの国民が彼らの私心のない献身に感銘を受けており、彼らの実績を確認してから支持に転じた人々が増えている」
バーガー大使は、このような政治的安定は、朴正煕のリーダーシップに起因すると言った。
「朴正煕議長は強力ながら公正かつ聡明で、権力を握って国民を安堵させることができ、この革命を慎重に穏健な方向に導いて行ける人物としてその位置を確固たるものとした。朴正煕議長は、政府と国民の間で、最も重要な連結の役割を果たしており、韓国情勢を安定させる上で最も重要な要素でもある。しかも、朴議長が最高会議内の分派主義者たちに対して強く対処したため、この慢性病はある程度コントロールされている。
分派主義は数百年間、この国の政府を混乱に陥れてきた。朴議長の強力な意志のため、今は分派主義が静かだが、永久にそうなるのかは観察が必要だ。最高会議の多数の軍人は地位の上下を問わず不正を犯す人物は、過酷に処罰せねばならないと考えているが、公務員と下位職の主体勢力の間に不正腐敗が浸透する可能性がある」
バーガー大使は「革命政府があまりにも多くを急ぎ過ぎて62年度の予算を赤字膨張予算に編成したのが心配だ」と指摘した。バーガー大使は「韓国側は赤字を米国が埋めてくれると考えている」と言った。(つづく)

2019-11-13 3面
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