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2019年09月26日 00:00
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研究者が見た義士・元心昌<第3回>
韓日中の3カ国を股にかけた活躍

 元心昌は、人生において何を目指していたのだろうか。元心昌は、国家と民族が風前の灯火にさらされていた頃に生まれた。乙巳条約(日韓保護条約)が締結された翌年の1906年に生まれた元心昌は、幼少期を過ぎた頃から、日本帝国から民族を解放するために身を呈することが宿命だと感じていたのかもしれない。ほとんどの独立運動家たちは国内、または国外でも1地域に限って活動していた。元心昌はしかし、植民地時代の朝鮮と日本、そして中国大陸を股にかけて活躍した。
元心昌が民族意識に目覚めたのは、日本による統治がきっかけだった。朝鮮人という理由により差別を受けたことでアイデンティティーに目覚め、自然と民族心が高まっていった。
直接的な行動に踏み切れずにいた元心昌は、3・1運動の全国的な拡散に伴い、自らも積極的に参加した。3・1運動で元心昌は特筆すべき活躍は見られなかった。しかし3・1運動は、元心昌の人生におけるターニングポイントとなった。それを機に、民族運動の最前線に自らの身を投じたからだ。
元心昌の生家跡地(京畿道平澤市彭城)
 故郷の平澤を離れ、ソウルで学生生活を送っていた元心昌は、新たな人生を模索するべく日本の中心地・東京へと向かった。何の縁もゆかりもない場所だったため、元心昌は労働者として留学生活を始めた。日本で労働者生活を送りながら、日本大学で社会学を学んだ。その頃、ピョートル・クロポトキン(ロシアの革命家)と大杉榮の著書に触れ、アナーキズムの影響を受けた。アナーキズムは 元心昌がより激情的な独立運動家へと成長するベースとなった。
元心昌は日本で、朴烈の大逆事件(23年、関東大震災時)以降に沈滞していた黒友会を再建したほか、黒色運動社、黒色戦線連盟、不逞社、黒風会、黒友連盟などで組織を改編し、在日朝鮮人アナーキズム運動の中心的存在として活動した。さらに30年頃、中国で有名無実化していた南華韓人青年連盟を再建し、南華韓人青年連盟の行動部隊かつ武装抗日組織の黒色恐怖団にも入団し活動した。
元心昌が加わった天津日本領事館への爆弾投擲と駐中日本公使の有吉明暗殺闘争は、南華韓人青年連盟の代表的な実績として挙げられる。これは、元心昌が行った代表的な民族運動ともいえる。
結果的に義烈闘争は未遂に終わった。しかし、大陸侵略を焦っていた日本の陰謀を暴露することで、韓国人の抗日意識を高めた。元心昌の義挙は中国人たちにも影響を与え、抗日戦争へと向かわせる誘発剤的役割を果たした。この点で、韓国独立運動史において大きな足跡を残した。この義烈闘争はまた、当時の韓民族アナーキズム運動に対して新たな認識を持たせる契機となった。
30年代初頭、韓国の独立運動は沈滞し、上海臨時政府も弱体化していた。半面、日本帝国は中国大陸へと進出し、満州・上海まで侵攻していた時期だ。独立運動の沈滞を打破するためには、積極的な義烈闘争が必要な状況だった。
李奉昌と尹奉吉義士の義烈闘争に続き、元心昌の天津日本公使館の爆弾投擲と駐中日本公使の有吉明暗殺未遂事件、即ち「六三亭義挙」は、対内外的に韓国民族運動の勢いを高揚させる促進剤となった。これにより、韓国民族運動に対する中国政府の支援も大きく拡大される結果へと繋がった。
これらを鑑みると、元心昌が行った二つの義烈闘争は、歴史的に韓国独立運動史上、非常に重要な闘争だったといえる。特に、元心昌の民族運動が目指したところは、狭義では祖国の独立、広義では東アジアの平和だった。この点は、元心昌を評する際の重要な研究課題である。(成周鉉 崇實大教授)

2019-09-26 3面
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