発足1カ月足らずの文在寅政権に忠告、警告する。理由は、文政権が強調する「ロウソク革命」が、どうやら単に朴槿惠前大統領の弾劾罷免を意味するものでないことが明らかになったからだ。文政権は自らを、「ロウソク革命政権」と自任し、そして「ロウソク革命」はいまだ進行中と強調している。
朴前大統領を退陣させるのが目標だったら、文政権誕生で「ロウソク」の目標は達成されたはずだ。しかし、李洛淵国務総理は就任辞で、「ロウソク革命はまだ進行中です。文在寅政府はロウソク革命の終点ではなく、通路です。文在寅政府の公職者はロウソク革命の命令を遂行する国政課題の道具です」と宣言し、全公務員にロウソク革命の道具になるよう要求した。
つまり、「ロウソク革命」は、「憲法違反の大統領弾劾」ではなく、韓国社会を社会主義的に変革させる「民衆革命」だったことを宣言したのだ。
これは憲法体系と価値への重大な挑戦だ。「ロウソク革命」の主体勢力は、大統領補欠選挙を自分たちの体制変革革命に利用したのだ。文在寅と「ロウソクの主体ら」は、自分たちの社会主義革命意図と路線を、有権者に明確に説明し、選択されるべきだった。
文大統領は来年の改憲のとき「5・18精神」とロウソク革命精神を反映すると言い放った。文政権がここ1カ月で見せた行動は、前政権の政策と路線を否定・修正するのではなく、すべての面で既存の自由民主的基本路線を否定するものだった。
文大統領が叫んだ積弊清算の「積弊」の正体は、選挙が終わって明確になった。文政権の路線は結局、親北・従北勢力と利敵団体などが、ロウソク示威で要求したことを実現することと見做さざるを得ない。ロウソク示威の主体らの核心的要求は、朴槿惠処刑、駐韓米軍撤収、THAAD絶対反対、対北敵視路線破棄、米朝平和協定締結、開城工団の再開、李石基釈放、資本主義に反対・社会主義具現などだった。
文政権は、基本的に親北路線だった盧武鉉政権の延長だ。それは文大統領が盧武鉉と金正日の10・4共同宣言の継承を意味する南北韓経済共同体を主張したことからもわかる。文在寅は盧政権が国家保安法を廃止しなかったことを最も悔やむと言った。
文政権の経済政策は、市場経済の原理を否定し、徹底したポピュリズムに立脚したものだ。独裁的命令統治が始まった。裁判が終わったセウォル号事件を再調査するという。大統領が裁判所の判決を再調査するよう命じるのは言語道断だ。4大江事業の再調査も命じた。李明博元大統領が盧武鉉を殺したという復讐心から、干ばつが続く中、4大江の堰を開けて貴重な農業用水を捨てる。横暴だ。
韓米は今月、首脳会談を控えている。ところが文政権は、金正恩が米国を攻撃できるICBMや弾道ミサイル体系の完成を急いでいるのに、これに対応するどころか、THAADミサイル配備を妨げている。THAAD問題を口実に民情首席室は国防長官を調査し、同盟国を侮辱する行動を憚らない。すでに駐韓米軍の一部と事前備蓄物資などを撤退させる動きが伝えられている。韓日関係も進展など期待できないのが実状だ。
米国など国際社会が北韓への追加制裁措置をとる中、文政権の統一部は、8つの民間団体の訪朝申請を承認した。各国が北韓旅行を禁ずる中、文政権は、潜在的人質になり得る訪朝を承認したのだ。
主思派が牛耳る文政権は、在韓米軍の撤退を強いることで実質的に韓米同盟の解消を追求するものと見られる。文政権がレッドラインを超えないよう警告する。国家保安法廃止など国体の変更、利敵団体の合法化、全教組合法化、THAADと駐韓米軍撤退圧迫などは、憲法守護と国民の生命・財産を保護すべき政府の責務を裏切る反逆行為だ。 |