北韓が、相変わらず核とミサイル開発に力を入れている。米国ジョンズ・ホプキンス大の研究グループが衛星写真の分析を行った結果、寧辺の核施設で、黒鉛減速炉の再稼働が濃厚になった。黒鉛減速炉からは核爆弾に使用可能なプルトニウムが抽出される。写真が撮影されたのは1月22日のことで、米国のトランプ政権に向けて核放棄はないと宣言したものとみていい。
北韓は大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射についても、「最高首脳部(金正恩)が決心する任意の時刻、場所で発射される」(1月8日)と、緊張感を高めていた。韓国国防部の韓民求長官は1月27日、首都圏にある地対空ミサイル「PAC3」の部隊を視察。「北の核とミサイルは韓国にとって最も直接的で実体のある脅威」と述べた。米国では北韓の核・ミサイルに対して最新の迎撃態勢を整える方針を打ち出している。
北韓は従来の低弾道の短距離ミサイルではなく、中距離弾道ミサイル「ノドン」を高角度で発射し、韓国全域を攻撃範囲に収めようとしている。今までは通常のミサイル攻撃に対する防御が重視されていたが、今後は核兵器への対応も求められる。
北韓では移動式発射台に搭載されたICBM2基が発射命令を待っている状態だといわれる。ただ、中距離弾道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイル、長距離ロケットが発射される可能性もある。 |