大統領に就任以来、親中的姿勢を見せてきた朴槿恵大統領が、中国が韓国を戦略的に敵視するのが明らかになったことで、伝統的な韓米同盟の復元・強化へと旋回した。金正恩が核攻撃を公言した状況で、国民と国を守るための当然の決断だ。
朴大統領は1日、韓国軍の陸海空統合本部がある鶏龍台(忠清南道・鶏龍市)で開かれた「国軍の日」記念行事で、北韓住民解放宣言と受け止められる、歴史的な演説をした。大統領は北韓軍人と住民に向けて宣言した。
「われわれは皆さんが置かれている残酷な実状をよく知っています。国際社会も北韓政権の人権弾圧を深刻に憂慮しています。人類普遍の価値である自由と民主、人権と福祉は皆さんも享受すべき尊い権利です。われわれ大韓民国は、北韓政権の挑発と反人倫的統治が終息するよう、北韓住民のみなさんに真実を伝え、みなさんが人間としての尊厳を尊重され幸福を追求しながら生きられるよう最善の努力を尽くします。北韓住民のみなさんが希望と生を見つけるように道を開いておきます。いつでも大韓民国の自由の地にいらっしゃることを歓迎します」
北韓住民へのこのメッセージは、盧泰愚大統領がソウル五輪直前の1988年7月7日、「北韓との関係を同伴者関係へと発展させていく」と宣言し、朝鮮労働党の赤化工作への警戒心を決定的に崩した「7・7宣言」や「わが民族同士」主義からの脱却といえる。
朴大統領はまた、「北韓地域で発生しうる偶発状況に対しても体系的に対応できる万全の備えを整えねばなりません。陸軍動員戦力司令部の創設と兵力および物資の動員制度の改善など、予備戦力を精鋭化し有事の際、効率的に運用できる核心課業も蹉跌なく推進せねばなりません」と述べた。「動員戦力司令部」の創設は、金日成が朴正熙大統領を殺害するため特攻隊を送った「1・21事態」(1968年1月21日)に対応してその年の4月に郷土予備軍が創設されて以来の実質的な予備戦力強化措置といえる。
停戦以来の安保危機を克服し、奴隷状態の北韓同族を解放するための大統領の決断に応じるのは国民の義務だ。この際、北の肩を持つ「内部の敵」も一掃すべきとの声も上がっている。 |