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2015年09月30日 10:20
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李承晩と朴正煕 アメリカに挑んだ大統領 第1部 -16-
アチソン・ライン 1949年、限界と挫折が再び

 米国は1949年当時、大韓民国が米国の国家安保、あるいは米国の経済にどれほど利益になるのかを分析した。米国は、新生大韓民国が米国の国家利益にさほど重要な国だと思わなかった。当時の国際政治全般から、米国の一次的な関心はアジアではなくヨーロッパにあった。第2次世界大戦で荒廃したヨーロッパには共産主義の亡霊が徘徊しており、ヨーロッパが共産化すればソ連がユーラシア全体を掌握した大帝国になるはずで、そうなれば、米国は国家の安全が保障されない状況になるかもしれなかった。
 米国の軍部と国務省は、世界各国を米国の国家利益を基準に評価した。評価の結果に基づいて米国の限られた能力と資源を配分しようとしたのだ。特に、米国の統合参謀本部(JCS)は、韓国の低い戦略的価値と(米軍の)兵力不足を理由に早期撤退の必要性を強調した。
 李承晩は、韓国政府樹立後わずか1年後の1949年秋に断行された在韓米軍の撤収を阻止できなかった。李承晩は日帝植民地時代に米国の朝野を動かして韓国の独立のために必死に努力したにもかかわらず、夢を果たせなかったのと同じ限界と挫折をまた味わったのだ。
 ここでわれわれは今日、米国が韓国との同盟を今後も長く維持することを望んでいる状況と対比させてみる必要がある。2012年9月10日に発表された米国シカゴの世論調査(global affairs council)によると、米国民の82%が韓米同盟を支持していることがわかった。驚くべき結果だが、韓国の国力がどれほど増したのかを反映した現象の一つだ。2012年6月には、在韓米軍司令官のサーマンが、2015年12月1日に計画されている韓米連合司令部の解体をせず、継続しようと提案した。こちらも米国が考えている韓国の重要性が増したという事実を反映する決定的な事例だ。大韓民国は昔よりもはるかに強い国になった。そして国際社会は韓国とそのように対しているのだ。しかし、100年前の朝鮮皇帝の高宗が独立を保つために米国の支援を期待したことや、1949年に韓国から去る米軍を止めようと頑張った李承晩の努力は失敗したのだ。
 韓国戦争が勃発するわずか5カ月前の1950年1月12日、米国務長官アチソンは、ナショナルプレスクラブでの演説で、いわゆるアチソン・ラインと呼ばれる米国の極東防衛線を発表した。
 「米国の防衛前哨線はアリューシャン列島から日本を経て琉球列島に続いている、われわれ(米国)は、琉球列島に重要な防衛陣地を構築しており、この前哨線は琉球列島からフィリピン諸島に伸びている」
 李承晩は直ちに外務長官の林炳稷を呼んだ。李承晩は林炳稷にアチソン・ラインの真相を把握するよう指示。駐米大使だった張勉が、アチソンを訪ねた。しかし、ついにアチソンから韓国を米国の防衛線に含ませるという言及は聞けなかった。韓国を防衛線に入れてほしいと頼んだが、むしろ恥をかいただけだった。李承晩は駐韓米国大使ジョン・ムーチョ(John Muccio)にもアチソン宣言に対して説明を要求した。アチソン宣言が北韓の侵略をもたらした直接の原因になったのかについての議論は多いが、アチソン宣言は、すでに戦争を決心した北韓とその後援者であったソ連に一種の青信号を送ったのは事実だった。
 韓国戦争勃発1週間前の6月17日、米国務省の外交政策特別顧問、ジョン・フォスター・ダレス(John Foster Dulles)が訪韓した。ダレスは有名な対ソ強硬論者で、アイゼンハワー大統領の共和党政権で国務長官になり、韓国の運命に大きな影響を及ぼした。訪韓したダレス氏に会った李承晩は、2人が意気投合した間柄であるにもかかわらず、机を叩きながら怒鳴った。米国の宥和政策は間違っているということだった。李承晩は、米国が韓国を極東防衛線から外しておきながら軍事援助もろくにしてくれない事実を批判し、米国が姑息な政策ばかりを堅持すれば今後大いに後悔する日があると警告した。
 米国は当時、国際政治の原理に従い、国家利益への徹底した計算に基づいて行動したのだ。重要に思えない国を守るために軍事力を動員する必要はなかった。韓国は米国にとってそういう国だった。

2015-09-30 5面
 
李承晩と朴正煕 アメリカに挑んだ大統領 第1部 -15-
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