「キャラが立っている」という言葉を近年よく耳にする。キャラクター(個性)が際立っているということだ▼来年の次期米大統領選挙の顔ぶれを見ると、まさに「キャラが立っている」人々のオンパレードだ。大統領候補になるだけの面々である。多士済々と書こうかとも思ったが、そうは書けない▼特に共和党の指名権争いでトップを走るトランプ氏の放言ぶりは、日本でも有名だ。米国ではいずれ失速するという見方が多いが、レース開始から数カ月たっても2位集団と距離を保ったままだ▼その2位集団の中にも個性派は多い。あのブッシュ一家の次男ジェブ氏や、初のラテン系大統領を目指すマルコ・ルビオ氏らだ。ただ、先頭を行くトランプ氏の背中はまだ小さい▼同時進行で行われている民主党のレースでは、勢いよく飛び出した大本命がじりじり下がり、2位以下に飲み込まれそうな展開になっている。初の女性大統領を目指すヒラリー・クリントン候補に、たたき上げのリベラリスト、バーニー・サンダース氏が迫る。74歳になったサンダース氏は、当選すれば初のユダヤ人大統領になる▼まるで競馬のよう。それもブックメーカーが過去最大の儲けになるとほくそ笑むほどの注目度だ。ラテン系、女性、ユダヤ人、茶会系…。米国の表徴が凝縮されたレースである。 |