白頭学院建国学校の金聖大理事長と李光衡校長は６月１０日、韓国の建陽大学のソウル事務所を訪問し、同大の金熺洙総長らと提携へ向けて意見交換した。白頭学院から進路担当教員と金恒勝事務長、建国大学校から朴ソンヨル、李ジョンホら入学関係役員が同席し、ＭＯＵ（了解覚書）締結を見守った。これにより建国高卒業生は、建陽大学の医科大学（医学部）に２名まで推薦入学の道が開けた。白頭学院は韓国の建国大学校や日本の東京工科自動車大学、尚美学園大学とも推薦入学などに関して話し合い、ＭＯＵを締結している。

医学部に２名推薦枠

建国高校と建陽大学の協約式

　忠清南道論山市にある建陽大学校は、「就職率全国大学１位」、「７年連続就職率９０％」、「教育の力量で私大１位」などの輝かしい実績を誇る。
金熺洙総長は１９２８年、忠清南道論山で生まれた。延世大学医科大学を卒業後、ソウル市永登浦にキム眼科を開業し、韓国の眼科専門病院の基礎を固めた。現在、ソウル、大田、論山などで開業している。
１９９０年、故郷の論山に建陽大学校を開学し、以来総長を務めている。金総長は、学生から「パン総長」と呼ばれる。論山キャンパスで、パンと牛乳を持って遅い時間まで勉強している学生たちを励ますからだ。
金総長は、「学生の実力を高め、就職率をよくすることが地方の大学が生き残る唯一の道だ」と強調する。新入生は毎年１９００人、入試競争率は平均７倍強になる。創学２３年の私立大学がそのような成果を出していることに世間は驚いている。
その第一の秘訣は、他大学にない専攻を設けていることだろう。国防公務員学科、運動療法学科、病院管理学科、医薬品工学科、医療美容学科、眼鏡学科などがその代表例だ。
就職率の高さも際立っている。全国４年制大学の平均就職率は６８％。建陽大学は７年連続で就職率９０％を超えている。就職で重視される英語の試験「ＴＯＥＩＣ」やコンピューターの授業を科目にしているだけでなく、資格講座や教授による個人指導も充実している。
０９年からは、総長と学生らの懇談会を実施。このため学生は、「ほかの大学の友人は、４年間総長の顔を一度も見たことがないといっているのに、私たちは頻繁に会える」などと話している。金総長は、「今後もさまざまなコミュニケーション方法を講じて、学生中心の大学になるように努力する」と話している。
６月の協議では、白頭学院建国小・中・高の李光衡校長から在日韓国人の歴史などが、建国高校の進路担当教員からは、進学実績だけでなくクラブ活動が活発な点が紹介された。
金熺洙総長は、「本学の『実学教育』が功を奏している。このような教育プログラムを在日同胞子女にも享受してもらい、国際社会に貢献できる人材になってほしい。そのためにも支援を惜しまない」などと述べた。