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2014年01月01日 00:00
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張成澤に長期軟禁説 処刑で中国と距離

 2014年の新年を迎える前に、北韓から衝撃のニュースが届いた。張成澤粛清と処刑だ。北韓の「ナンバー2」と見なされ、最高権力者・金正恩の義理の叔父にあたる人物だ。処刑前の肩書は国防委員会副委員長。同委員会は北韓の中核をなす機関で、金正恩が委員長を務めている。
 張成澤の粛清については、諸説ささやかれている。北韓メディアの報道では、張成澤は12月8日の政治局拡大会議で党籍が剥奪され、連行された。このシーンは写真つきで報じられた。つい最近まで権力の中枢にいた人物の失墜がここまで大きく扱われるのは異例だ。張成澤は12月12日には国家安全保衛部内の軍事裁判で死刑を宣告され、直ちに処刑されたという。
 ある韓国の情報筋によると、張成澤は11月には監視・軟禁状態に置かれていたという。張成澤は11月上旬にアントニオ猪木議員と会見しているが、軟禁されていた場所から一時的に出されて面会した可能性もあるとのことだ。
 政治局拡大会議前の軟禁説の根拠となっているのは、張成澤にコンタクトが取れる複数の人物からの情報だ。11月ごろから「張成澤に直通電話をかけても出ないのに、張成澤からは電話がかかってくる」という状況だったという。その張成澤からの電話にしても、北韓に戻ってくるようにとの内容だったため、不審に思った何人かはそれに従わず、粛清の難を逃れた模様だというのだ。
 張成澤の処刑について、北韓の内部的には権力層に動揺が広まるとの見方が強い。金正恩が”摂政”の排除により権力基盤を固めたとみることはできないということだ。
 一方、韓国の国家情報院は12月23日、金正恩の基盤は揺るがないとの見解を示した。粛清は石炭利権などをめぐる内部のトラブルが理由で、権力争いの末の排除ではないためという説明だ。ただし、体制の耐久力は別だ。
 では、張成澤の死刑が北韓の対外関係に及ぼす影響はどうか。ある専門家は、「張成澤は長らく中国との関係を維持しており、核開発よりも経済発展を重視する『ソフト・ポリシー』を志向していた。金正恩が張を排除したことで、経済発展と核開発の並進を堅持するだろう」と分析する。義理の叔父を死刑に処した金正恩に対して周辺国は「接近禁止」とのスタンスで臨み、北韓の孤立はより深まるとの見方だ。
 特に張成澤の処刑は中国指導部にとって大きな打撃となる。金正恩には訪中説がたびたび浮上しているが、いまだに実現していない。張成澤の処刑後にも中国側に訪中受け入れを要請したとの報道があるが、関係は疎遠になると、この専門家は指摘している。

2014-01-01 1面
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