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2013年02月28日 04:47
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【座談】新政権への期待と要望<上>
洪政國×李玉順×金奈緒美 

激変の時代に在日の意識変化も必要―洪政國
過度な競争は成長を阻害する?―李玉順
「留学してよかった」と思える社会に―金奈緒美

 25日に第18代韓国大統領に就任した朴槿惠氏。朴新大統領に対して在日同胞はどのような期待を抱いているのか。洪政國・在日韓国科学技術者協会会長と李玉順・在日本韓国人連合会副会長、金奈緒美・在日韓国青年会大阪府地方本部会長の3人が、韓国の現状認識も踏まえ、思いを語った。
(聞き手=溝口恭平)

 朴槿惠新大統領が就任しました。まず期待するところは何でしょう。
  朴大統領になるのを心の底から願っていました。父親は朴正熙元大統領で、お母様の陸英修氏が亡くなられてからはファースト・レディの役を務めてきました。若い頃からいろいろな経験をしていることと父から譲り受けたカリスマ性もあると思います。そろそろ女性の大統領を、との思いもありました。世界からの注目も高まるでしょう。一つの理由でなく、多くの理由で彼女が大統領になったことはいいことだと思います。
洪政國

  いくつかの点で期待したいと思います。まずは朴大統領が大学で電子工学を専攻していたこと。資源のない韓国が科学技術立国として成長し、深い専門知識がなくても科学技術がわかる人が大統領になったのはうれしいことです。次に韓国初の女性大統領が誕生したことです。アジア諸国に女性元首は多いですが、韓国で女性大統領とは、まさに夢のようで、21世紀の世界の中の韓国を先取りしたように思えます。最後は私の個人的な体験ですが、20歳で初めて韓国に行った1967年8月15日の式典で今の朴大統領のご両親を間近で見たのです。その娘が大統領になったことで在日との太いパイプを感じます。
  青年会会長として昨年の在外国民選挙に携われたことも含め、私も個人的な縁を感じます。私は青年会の大阪で初の女性会長でもありますので、初の女性大統領にはシンパシーを覚えます。父親の朴正熙元大統領が祖国の発展を導いたことも知っています。私の母は済州出身なのですが、朴正熙元大統領が済州に来てまず「ここに必要なのは水道だ」と言ったらしいのです。祖父母は「救世主のようだ」と喜んだようで(笑)。その人の娘ということも応援したくなった理由です。
  朴正熙元大統領の娘ということは「独裁者の娘」というイメージも持たれたということで、それが払拭されなければ当選できなかったはずです。韓国社会に画期的な変化があったのではないでしょうか。
  両親とも銃弾に倒れていますから、その痛みを知っているはずです。同じことを他人にしない方なのではと話している方もいました。
李玉順
  大統領としてはまず経済を活性化してほしいと思います。母国がさらに発展することは、わずかではありますが、在日同胞にも影響します。口で言うほど簡単ではないでしょうが、周囲に優秀なスタッフを配して、経済の再生に力を入れてほしいですね。
  女性大統領ですから、今までと違う視点で幅広く人材を見てほしいと思います。
  朴大統領は女性ですが、男らしさもあると思います。理系ですしキャリアウーマンのような印象です。感情に流されず、細かなところを見る女性らしさも発揮してほしいですね。
  女性の社会進出でいうと、韓国の方が日本より女性研究者の育成に積極的だと思います。周囲の日本の方も「日本では(女性元首の誕生は)まだまだできないよね」と話しているほどです。女性の社会進出がさらに加速するのではないでしょうか。

 朴大統領(セヌリ党)の在外同胞政策についてはどう思いますか。
 金 実現したらいいと思うのは住民登録です。韓国で2001年からの5年間学生生活を送っていましたが、携帯電話の契約や銀行口座の開設など、実生活で非常に不便でした。留学生に対する学資金支援もいいことだと思います。民族教育への支援も語学能力向上の面では期待できます。
  民団の地方団長をしていた父は「一生懸命やるのは祖国のため」と口にしていましたし、「祖国がよくなれば在日の生活もよくなる」と信じていました。昔は母国と強い一体感があったと思います。その点で母国に支援する側から支援してもらう側になったのは感慨深いですね。一方、兵役や納税といった韓国人としての義務を果たしていないのに権利だけもらっていいのかと複雑な思いもあります。二重国籍についても、韓国とのつながりが強くなるという半面、日本において誤解を招く恐れもあります。二重国籍の要件緩和によって韓国とのつながりが強くなる一方、在日の結束がどうなるかはわかりません。支援を民団とか一団体だけに行うのも、変化が早く細分化、専門化した在外同胞社会に合うのかわかりません。在外国民が居住国で不便なく安心して暮らし、もてる能力を十分発揮できるよう、きめ細やかに環境を整えることが優先されるべきではないかと考えます。
  私は18年前に来日しました。差別は経験したことありません。今は日本も韓国も自分の国という意識を持っています。育ての親と産みの親のように。政府には750万人の在外同胞の生活がよくなるようにしてもらいたいですね。各国各層の同胞のネットワーク強化に力を注いでくれているのは嬉しいことです。私は東京韓商と韓人会で役員をやっていますが、昔は民団がニューカマーを子ども扱いしているような部分がありましたが、今は違います。
金奈緒美

  激変の時代に在日も意識を変えないといけないですね。グローバル化が進み、世界のトップレベルをめざしてどんどん変わる韓国のテンポに追いつけず、歯車がかみ合わなくなることもある。われわれ自身が変わらなければならないと思います。ただ、情報の周知はわかりやすく徹底してやってほしいですね。
  情報の周知の重要性については、在外投票のときに感じました。日本に住んでいる韓国人が投票できることを知らない人が多かったのです。
  以前は時代に応じて、在日が韓国のために金銭面で応援し、戦争で血も流しました。今は知材で貢献できるのではないかと思います。作物を育てるのに1年、木は10年、人は100年かかるといいますね。3代かかるということです。在日の歴史は3世代以上になります。科学者協会には世界のトップクラスの人材が集まっています。人材面で貢献できるよう、韓国政府には細かな施策を出すと同時に、韓日間の協力がすすむよう日本に働きかけてくれることを期待したいですね。在日同胞の事情は他国の同胞社会とは違いますから。
  情報周知やネットワーク作りについては領事館などで一生懸命やって下さっていますね。
  選挙に関しては公館が熱心にやっているのを見てきました。民団や韓人会以外の人を巻き込むネットワーク作りが必要です。
  本国と在外国民のコミュニティー間のネットワーク作りだけでなく、居住国内のネットワーク作りも重要だと思います。

洪政國(ホン・ジョングク) 1947年、静岡県生まれ。農学博士。現在、在日韓国科学技術者協会会長。
李玉順(イ・オクスン) 1959年、大田生まれ。95年に来日し、特殊紙などを扱う(株)サンオクスを設立。在日本韓国人連合会副会長。
金奈緒美(キム・ナソミ) 1982年、大阪市生まれ。ソウル大卒。現在、在日韓国青年会大阪府本部会長。

2013-02-28 4面
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