韓国の朝鮮日報によると、金正恩の官邸や別荘をはじめとする専用施設に装甲車が配備され始めているという。対象となる施設は30カ所、装甲車の数は100台になると報じられている。また、特別列車の専用駅周辺の警護兵力も大幅に増強されているという。
金正恩は執権以降、金正日でさえはばかっていた軍への介入を行い、彼らの既得権益にまで手をつけようとしていると指摘されてきた。7月に朝鮮人民軍総参謀長などを解任された李英鎬をはじめ、すでに軍のトップにまで“粛清"の手は及んでいる。こうしたことから、軍内部で金正恩に対する不満の声が高まり、周辺警護を強化する動きにつながったものと見られる。
朝鮮日報の報道によると、金正恩は自身が参加する「1号行事」に対しても徹底的な秘密厳守の指示を出しているという。1号行事会場周辺には自動小銃や手りゅう弾で重武装した警護兵力と共に、重火器が入った黒く長いかばんを持つ私服護衛要員が配置されている。
北韓は中国からデモ鎮圧用の装備を取り入れ、行事の際には人や車の通行規制や携帯電話の電波遮断などもおこなっているという。これは一般住民に対する対応で、軍隊に相応する火力を持った相手には不十分だ。
このことから、金正恩が住民と軍の双方に警戒心を高めていることが窺える。
また朝鮮人民軍保衛司令部が、傘下の保衛大学に3~6カ月間の速成監視要員養成課程を新設し、軍に対する監視人員の増強も行っている。 |