15、16日にモンゴルのウランバートルで日朝外務局長級協議が行われた。協議が行われたのは約4年ぶり。日本側は拉致問題について提起したものと見られるが、詳細は不明となっている。
ただ、北韓の宋日昊・日朝国交正常化交渉担当大使が協議終了後、「拉致問題も協議した。進展があった」と述べたことから、「拉致問題は解決済み」という従来の立場を、北韓が変えた可能性は高い。宋大使は「今回の協議結果を土台にして早い時期に次の会談を開き、継続していくことで合意している」と、会談の継続を示唆した。
日本サイドから会談についての説明を受けた韓国政府関係者は、拉致問題の進展のためには北韓への経済支援などが必要だと述べており、北韓側から何らかの支援要請があったと見られる。北韓は、北送運動で在日朝鮮人の夫とともに北韓に渡った日本人妻や日本人残留孤児の帰国、北韓に残る終戦期の日本人の遺骨収拾をカードとして持っており、拉致問題の進展とからめて支援を引き出す狙いがあるといっていい。
日本では頻繁に拉致担当大臣の交代があり、年末には解散総選挙も予定されている。こうした政局の変化を読みながら、北韓は巧みな交渉を仕掛けてくるに違いない。 |