韓国で生活するために入国した脱北者の数が急減している。減少は今年上半期から指摘されていたが、夏以降も前年を大きく下回っていることが明らかになった。
統一部は10月28日、9月末までに国内に入国した脱北者の数が1086人だったと発表した。月平均120人強が入国している計算になり、この傾向が年末まで続けば、年間1400人をやや上回るほどになる見通しだ。これは、05年(1382人)とほぼ同水準で、7年ぶりに入国脱北者数が1000人台に落ちるのはほぼ確実と見られている。
韓国内への脱北者の数は、01年に初めて1000人台に乗って以来、毎年増加傾向を示してきた。06年に初めて2000人を超え、昨年まで6年連続で年間2000人を上回っていた。
韓国に入国した脱北者の数が減ったのは、金正恩体制に移行してから北韓が脱北者の取り締まりと処罰を強化したせいだというのが専門家の指摘だ。昨年12月の金正日の死後、システムの動揺を防ぐために取り締まりは強化されたという。また、脱北者の強制送還が人道問題として注目されたことにより、中国の公安当局が中朝国境地帯の警備を強化するとともに、同国内に潜伏する脱北者の取り締まりを強化したという現地活動家の報告も相次いでいる。
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