震災から1年、その間被災者を勇気づけるさまざまなイベントやチャリティー活動が展開されてきた。そのどれもが被災者にとって力になったが、本当に嬉しかったのは日常生活での何気ない一言やできごとだった。被災者にこの1年で最も嬉しかったことは何だったのかを聞いた。なお、つらいことばかりの1年だったという人がいたことも事実として記しておきたい。
民団福島県本部・銭相文事務局長
震災直後に真っ暗な町の中華料理店で食事中、仙台総領事館の職員から電話があり、「お前たちががんばっているのはわかってるいから」と励まされたこと。
民団福島県本部・李在昌事務副局長
名簿に名前が載っているだけで普段民団に来たことのない人が「頼るところは民団だ」と団員登録してくれたこと。
匿名希望の男性(福島県)
ボーナスが出たこと。
橋本未奈子さん(福島県)
震災からちょうど3カ月後の6月11日、子どもが生まれたこと。
佐藤純子さん(福島県)
昨年4月に長野に住んでいるおばが京都に桜を見に招いてくれたこと。
渡辺智子さん(福島県)
昨年5月に埼玉で開催された「東京伝説2011」というK―POPのライブを見にいけたこと。
匿名希望の女性(福島県)
避難所にいる方々が、昨年末頃から徐々に明るくなってきたこと。人に言えないつらさはあるだろうが…。
民団宮城県本部・姜恵美子事務局長
県本部会館でオリニ事業が始まり、子供たちの笑顔が見られたこと。
民団宮城県本部・李明照事務副局長
電気、水道、ガスが通ったとき。
民団宮城県本部・李好江さん
母の通院する病院で通常どおりの透析治療が再開されたとき。(病院は震災から2日間閉鎖され、3日目に再開するも被災施設からの患者受け入れのため、しばらく短時間透析が続いた)
文春光さん(岩手県)
さまざまな音楽イベントに招待してもらったこと。特にTUBEのコンサートには力づけられた。
木田友則さん(岩手県)
震災直後の4月に新年度が始まったときに、学校の友人と生きて再会できたこと。
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