趙甲済
朴槿恵議員は、ハンナラ党(後でセヌリ党に改名)の非常対策委員長を引き受けて党権を掌握した後党のアイデンティティを変え、公認を主導する過程で大韓民国の憲法的価値と保守的価値を無視したことが一・二度でない。核心保守層は、彼女が伝統的な自分の支持勢力である保守層を冷笑的に対すると感じている。保守層は裏切られたと思う。
1.権力型腐敗前歴のある金鍾仁(*写真の左)を非常対策委員に任命。
2.天安艦爆沈が北韓側の仕業であることを否認し、事ある毎に政府と保守層を誹謗してきた李相敦(*写真の右)を非常対策委員に任命。
3.韓米FTA批准同意案にハンナラ党議員としては唯一反対し人を党の代弁人に重用。
4.安保専門家は非常対策委員から除外。
5.党名を「(赤い色の)セヌリ党」に改名、左翼政党の色を塗る。
6.政策広告で「働き口-福祉-経済民主化」だけを約束し、安保-従北問題を徹底的に無視。
7.左派と浪費的福祉ポピュリズムを競争。
8.「(大韓民国憲法に違反した)6.15宣言と10.4宣言を尊重する。」
9.自由の闘士を冷遇する密室下向式の前近代的な国会議員候補公認。
10.北韓人権法と中国の脱北者北送問題に無関心。
屈辱感を感じた保守層は従北に投票せずに朴槿恵議員に報復する方法に悩んでいる。棄権者が増えそうだ。総選挙と大統領選挙は投票率の競争だ。全体有権者の約42%である50才以上がどれほど投票に行くのかにセヌリ党と朴槿恵氏の運命が掛かっている。確実なのは、ここ3ケ月間朴槿恵氏が保守層に与えた心の傷は支持層の投票率を低くするだろうという点だ。
東亜日報の裵仁俊主筆も、「セヌリ党は闘士を排除した」というコラムでこのように指摘した。
「非常対策委体制のセヌリ党は、金鍾仁と李相敦非常対策委員が熱心に保守色を薄めたが、彼らはインターネット右派やアスファルト右派のような保守の場外勢力の士気だけを低下させ、ツイッターとインターネット空間が一層左派一色になってしまった。狂牛病、天安艦、4大河川などの政争化過程で保守右派でない親盧左派の方に立った李相敦氏がセヌリ党の見解のように発言したため、今まで親盧・従北に対抗してきた保守右派の場外勢力はセヌリ党を論理的に支持できなくなってしまった。」
朴槿恵氏の支持率の相当部分は朴正煕への支持だ。朴正煕と朴槿恵は全く異なる人間だということが分かってきたら、保守層と朴槿恵氏の間の情も切れるかも知れない。
朴槿恵委員長は、2007年のハンナラ党の予備挙戦で李明博候補に負けた理由が(自分が)あまりにも保守的に見えたためだと誤認しているようだ。私は、彼女が金正日に会ってから北韓政権と従北勢力にあまりにも弱く見える姿勢を取ったのが敗北の本当の理由だったと考える。
南北韓の代理戦の性格を帯びた総選挙と大統領選挙だ。左派が設けた舞台の上で左派が作ったゲームのルールで戦えば勝てない。理念の対決が避けられない韓国で、正面勝負を避けようとしたら、それで安保-理念-法治問題が選挙争点から消えればセヌリ党は有利な高地を自ら放棄して惨敗するだろう。サッチャー、レーガン、李承晩、朴正煕は「理念的指導者」だったため偉大だった。朴槿恵氏はサッチャー(*右写真)から最も遠くにいる人に見える。映画「鉄の女人」を見るとこの点がもっと実感できるはずだ。
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