「やはり起きていたか」といいたくなることが関西で起きた。韓統連(在日韓国民主統一連合)による李明博大統領の糾弾ビラ配布だ。韓統連の機関紙『民族時報』によると、「韓統連、韓青のメンバーは十一月十三日、大阪市生野区の同胞宅にリーフレット約千五百枚を配布し、同胞らに十大悪政を明らかにした。十二月と来年一月にも、東京、川崎、名古屋、大阪など各地の同胞密集地を訪ね、リーフレット配布など宣伝活動を展開する予定だ」という▼これに対し、大阪総領事館・在外選挙管理委員会は、韓統連大阪本部代表宛てに、公職選挙法を遵守する旨の文書を送付。公職選挙法第93条(違法方法による文書等の配付掲示など)第1項は「誰であれ選挙日180日前から選挙日までは選挙に影響を及ぼすような印刷物などは配付できない」と規定している。また国外にあっては、団体の名義あるいは代表名義で在外選挙権者を対象にした選挙運動を禁じている。韓統連大阪事務所は電話で「選挙違反にはならないと思う。管理委員会から文書がきたことも知らない」とコメントしている▼在外選挙によって、在日同胞社会の分裂が深まるのではないかという懸念は、本紙が今夏の特集号でも述べたたことだ。最近では「韓国籍の在日朝鮮人」と明言する人もよく見かける。韓統連は1978年、国家保安法における「反国家団体」に指定され、1989年に組織改編し、現在の韓統連に至る。こういう流れを知らない人の方が、今の在日韓国人社会には多いのではないか。この隙を突かれてはいけない。韓国だけでなく北の体制も批判できなければ、健全な統一の議論などどうしてできよう。 |