趙甲済 呉世勳ソウル市長の辞退で来る10月26日にソウル市長選挙が行なわれる。仮に民主党と民労党連合勢力がソウル市長候補を当選させればソウル市は左傾政権になり、大韓民国の心臓部は従北極左勢力によって掌握され亡国的福祉ポピュリズムや法治崩壊の道を辿る筈で、最悪の場合、共産化に繋がる。 1.愛国市民は反大韓民国勢力に「ソウル政権」を奪われないように大同団結しなければならない。特に、今回の学校給食関連の住民投票場に出た215万7,772人がソウル守護の主体勢力として組織され動員されねばならない。 2.ハンナラ党は、「ソウル政権」が親北勢力の手に引き渡されることを防ぐ意志も、力もない。世論は圧倒的に呉世勳案(段階的税金給食)に賛成だったのに、ハンナラ党と朴槿恵勢力の無能と卑怯と裏切りで住民投票の開票要件を充たせなかった責任を負わなければならない。ハンナラ党は候補を出してはならない。ハンナラ党のソウル地域議員は共同責任を負ってソウル市長候補に出る考えを断念すべきだ。 3.10月26日の補欠選挙で決定的影響力を行使する人は呉世勳勢力だ。呉世勳勢力とは、住民投票を成立させる過程で新しく組織された市民団体、何よりも投票場に出た215万7772人、そして投票場には出なかったが呉世勳案を支持する市民らだ。強大な勢力だ。憤怒と物足りなさと裏切られたという感情を共有した集団であるから強大なのだ。彼らが一つになれば次期市長職が左派勢力に渡される筈がない。10月26日の選挙で彼らが復讐戦を展開することができる構図を作り出さねばならない。 4.呉世勳勢力を動員する人は、ハンナラ党でも朴槿恵氏でもない呉世勳だ。したがって次期ソウル市長候補はハンナラ党でなく呉世勳勢力が事実上公認権を行使してこそ勝てるという計算が出る。呉世勳勢力は、反ハンナラ党情緒が強いため、自分たちが左派と戦う時見物をしていた人がハンナラ党のソウル市長候補として出れば野党の候補に投票するかも知れない。 5.10月26日のソウル市長選挙を「呉世勳対左派」の対決構図にしてこそ絶対多数の大韓民国憲法守護勢力が大同団結する理由ができる。呉世勳勢力が誰を市長候補として出すのかを悩む時だ。 6.大体、こういう基準が思い浮かぶ。まず、ハンナラ党の現役議員は駄目だ。親朴派も駄目だ。「首都分割」(世宗市建設)に賛成した反首都圏派も駄目だ。黄祐呂類の福祉ポピュリズム迎合人士も欠格だ。(反逆の)「6.15宣言」賛成者も駄目だ。兵役忌避者や腐敗前歴者も不可だ。今回の住民投票運動に参与したか支持した人でなければならない。 7.基準を整理して行ったら瞬間的に二人が浮び上がる。「首都分割」に反対して議員職を辞退し、今回も呉世勳氏の肩を持った朴世逸氏、テレビ放送討論で呉世勳市長とチームを組んで郭魯炫チームを追い詰めた全元策弁護士。こういう人が市長候補に出て野人になった呉世勳氏が選挙事務長を務めながら票を求め訴えれば負けられないゲームだ。 8.こういう戦略は1石3鳥の効果がある。 *保守性と愛国心を喪失したハンナラ党と朴槿恵勢力を崖へ追い込んで自ら改革するか滅びるように強いられる。 *行動する市民層を組織し、従北勢力と対決できる自由民主勢力を新しく作ることができる。 *2012年に従北連合勢力が執権して大韓民国を連邦制赤化統一の道へ引き摺り込む事態を阻止できる。 9.呉世勳は市長職から退くことで、大韓民国を救えるより大きな地位へ移ることになった。これは歴史的な機会だ。問題は彼が持つ人間的器の大きさと勇気であろう。 ――――――― 市民の憤怒を以ってハンナラ党と朴槿恵の既得権体制を打ち壊そう! 負けた側は呉世勳でない。官軍は敗れ義兵だけが残った。生きるか死ぬかで従北勢力と戦ってこそ活路が開かれるだろう。天下大乱を経てこそ天下大治の指導力が生まれるだろう。 -趙甲済- 8月24日のソウル市住民投票は形式上では呉世勳ソウル市長の敗北で終わったが、真の敗者はハンナラ党と朴槿恵元代表だ。呉市長は今回の敗北でソウル市長職を失うことになったが、「保守層の若いスター」になったことで、前途が明るくなった。彼がもし未来に国家指導者になれるなら今回の選挙で負けたおかげだろう。いつもドラマを求める大衆民主主義の政界では「壮烈な敗北」が勝利の土壌になる場合が多い。 1.今日投票に参加した人々(有権者の25.7%=215万7,772人)は、賛反を離れて民主市民の資格がある。特に野党と従北左派勢力の悪辣な投票拒否運動とこれを放置した選管委の妨害を押し切って(場合によっては恐怖雰囲気を克服して)投票に参加した市民は、戦って自由民主主義を守護する資質がある方々だ。彼らに敬意を表する。 2.今日投票に参与した市民たちの多数であると推定される「税金給食反対者たち」が最も嫌う存在は恐らくハンナラ党と朴槿恵元代表であろう。投票参加者は学歴、教育、財力などの色々な面でソウルの中心勢力であり世論主導層だ。保守の核心だ。彼らがハンナラ党と朴槿恵元代表に対して感じる裏切り感が爆発したらハンナラ党の存立が危うくなる筈で、朴代表独走の大統領選挙構図は根本的に揺らぐだろう。 3.民主党、民労党、従北左派勢力は組織的に呉世勳市長を攻撃したのに、ハンナラ党は党論だけの形式的な「支援」を掲げて置いて組織的には呉市長を捨てた。反保守的、反党的な背信行為の先頭に立ったのは朴槿恵議員の側近たちだった。大韓民国憲法秩序を守護しようとする自由陣営(右派)の立場からは到底理解できない様態があった。野党や従北左派勢力が民主主義を根本的に否定する投票拒否扇動を行うことへのハンナラ党、特に朴槿恵議員が見せた無気力と卑怯な沈黙は驚愕そのものだった。ハンナラ党と朴槿恵勢力は、呉市長への好悪を離れて大韓民国を民主共和国であり得る大原則である選挙、そのものを否定したクーデター的勢力に対して憤怒し猛烈に闘争して国民の正義感を呼び起こすべきだった。彼らが見せた暇な行動や沈黙は、ハンナラ党院でない一般の人々よりも劣るものだった。政治家が、憲法秩序が蹂躪されるのを見ながらどうして腹が立たないだろうか? 憤怒も計算してから出すのか? ハンナラ党と朴槿恵勢力が果たして支持するに値する真の自由民主主義者たちなのかに対して根本的な懐疑を持たせた事柄だった。 4.代表的な保守人士である李東馥元議員は、今日(8月24日)午後4時頃、切迫した心情を盛込んだ文をインターネットに掲載した。 <執権与党であるハンナラ党が、そして朴槿恵議員のような次期大権候補の先頭走者が、「我々には尚12隻の船が残っている」という忠武公の精神で武装し最後の決戦を行えば、「鳴梁海戦」の逆転劇を今回の住民投票の最終局面で演出することが決して不可能なことでない。問題はハンナラ党が、そしてその党員たちが、これから4時間間「死を覚悟せずには生を享受できない」という覚悟ができるかどうかにかかっている。もし、今度の住民投票で失敗したら、こういうハンナラ党が果たして来年の二大選挙でどういう顔で候補が出せるだろうか? もしかしたら、今から残った4時間が特に朴槿恵議員には彼女が韓国のジャンヌ・ダルク役をなせるかどうかを見せられる唯一の機会だと思える。> 5.今回の投票に最も大きな影響力を行使できた人は朴槿恵氏だった。国民の義務として、政党員の責務として彼女は積極的に呉市長を助けるべきだった。しかも呉市長は次期大統領選挙に出馬しないと宣言し、朴議員が気楽に支援できる道を開いた。彼女は票の計算上でも呉市長を助けるべきだった。朴槿恵氏支持層の絶対多数は呉市長の「段階的税金給食案」の支持者の筈だ。今回の投票で呉市長を支持したソウル市民は初めから「これは厳しいゲームだ」と直感したが、亡国的な福祉ポピュリズムを止めるべきだという大義に感動した人々が多い。誰でも厳しい戦いをする時最も嫌な人は味方だと思っていたのに肩を持ってくれない人だ。今日呉市長を支持した人々は朴槿恵氏をそう思うだろう。この感情は愛が憎しみに変わった場合だが、これから朴氏の大統領選挙街道に致命的な悪影響を及ぼす可能性がある。朴代表が今度先頭に立って票を集めて呉市長が勝つようにしたら、呉市長も来年の大統領選挙で朴候補を支持し、それこそ双方が満足できた筈ではないか? これが常識ではないか? 6.本当に常識的にも納得が出来ないのは朴槿恵氏がこの国家大事に対してどういう考えなのかが分かる術がなかったという点だ。平凡な市民たちも税金給食に対して主観を整理して投票に行くのに、次期大統領になりたいという人が何の考えなのかを敢えて表明しなかった。政治では、支持すべき義務を持っている人が「支持する」と言わないと反対だと解釈するのが妥当だ。国民が助けを求める時指導者が沈黙すれば、彼が助けを求める時国民は沈黙する。 7.朴槿恵議員が2002年にハンナラ党を離党して平壌に行って金正日に会った後から理念問題に対して彼女が示した態度には納得し難い点が多かった。李明博政府出帆後も、彼女は「狂牛病乱動」、「龍山防火事件」、「首都分割」による世宗市建設問題でも支持層の右派と異なる態度を見せた。こういう態度が彼女一人の計算によるものなら、こういうことではないかという推測が可能だ。つまり、保守層はどうせ自分を支持する筈だから、反対層の憎しみを買わない行動をするのが有利だという計算だ。一時的な戦術が効く国会議員選挙なら分からないが、韓国の歴代大統領選挙は南北対決のためその本質が理念的なので、固有の支持層を裏切った候補が当選したことはない。理念が最大の戦略だ。 8.今回の住民投票の敗北で積もった保守層の不満は巨大な政治的エネルギーだ。このエネルギーはハンナラ党と朴槿恵議員に向かって爆発するだろう。従北左派勢力の扇動のため寝れない国民は、戦おうとしない保守政治勢力を変えようとする筈だ。理念は感情だという言葉があるように、保守層の憤怒は保守政治を根本的に変えるだろう。ハンナラ党の解体論や「創造的破壊論」まで出るだろう。朴議員の支持率が落ち、右派新党論が出るだろう。ハンナラ党指導部の辞退論も提起されるだろう。ハンナラ党は親朴、親李、少壮派、日和見主義勢力に分裂するだろう。ハンナラ党の外側にある保守勢力が代案を模索する。こういう混乱は望ましい。ハンナラ党を含む右派政治勢力は自らを崖に立たせねばならない。百尺竿頭に立った覚悟で自由民主体制の死活をかけて、生きるか死ぬかで従北勢力と戦ってこそ活路が開かれる。天下大乱を経てこそ天下大治の指導力が生まれるだろう。新しい秩序は混沌を経てこそ生まれる。今日投票に参加した「行動する市民たち」が決心すれば、8月24日の敗北は大韓民国勢力の生きる道を用意した歴史的転機として記録されるだろう。8月24日の投票者215万7772人がまさに変化の主体勢力にならなければならない。215万人が決心すれば歴史を変える。イエスの十二人の弟子、李舜臣の「尚有十二隻」がそうだったように。 9.李明博大統領の最大の失政(歴史的誤り)は、憲法という太刀を鞘から抜かなかったことで民労党など反憲法的従北勢力の安保-法治破壊行為を放置した点だ。ハンナラ党と朴槿恵氏も万悪の根源である「6.15宣言」の反逆性と民労党の正体を国民に説明しなかったことで国民が「従北」を「進歩」と思うように誤導した。真実を共同体の敵に売渡したのだ。このように育たれた反憲法的勢力が、今度は投票拒否扇動という体制破壊的で根源的不正選挙を行い、左傾化された選管委がこれを幇助した。こういう無法状態が来年の二度の選挙でも続いたら大韓民国は選挙を通しての共産化への道を辿るだろう。 10.自由陣営の動員力も今回試された。結果は敗北だった。愛国運動勢力は李明博政府になってから弱まった。核心指導勢力は老衰化し、教育と組織を疎かにして50代以下の青壮年層と接続できなかった。50才以上の保守的有権者を投票場に引き出す力も発揮できなかった。今は新しい愛国運動の方向を模索する時だ。一つの方法は従北勢力の政治的指令塔である民主労働党解散運動を行うことだ。民労党はその目的が反憲法的で、その活動が反逆と乱動で汚れている「違憲政党」だ。従北左派陣営の最も脆い輪でもある。多くの罪を犯して国民の怨声を買っているためだ。民労党系列(民労総、全教組)と自由民主体制としての大韓民国は共存できない。自由陣営が指導力を再整備し、憲法と真実を以って武装し、国民を覚醒させれば、憲法の力で民主労働党を解散させられる。いや大韓民国が生きるためには解散させねばならない(違憲政党の解散は政府が国務会議議決を経て憲法裁判所に提訴してこそ可能だ)。 11.国民行動本部と高永宙弁護士(国家正常化推進委員会委員長)は、8月26日午後2時、政府果川総合庁舎の前で記者会見を開き「民主労働党解散請願書」を法務部に受け付けさせる。国民行動本部は来る9月2日の午後2時、ソウルプレスセンター20階で「国民行動2012」の出帆式も行なう。右派陣営の自救策を模索するこういう動きがあちこちから起きて国民の心に火を付ける時、活路が開くだろう。すでに官軍は崩れた。義兵が起きて祖国と自由を護るしかない。第2の「3.1独立運動」を展開する時だ。「赤の世の中がくる」という事実を知っていながら上品を気取っている時でない。 ――――――――――――― *朝鮮日報の金昌均論説委員の「正規軍は後ろ手に組み、民兵が行なった戦闘」題下コラムの一部 <無償給食の住民投票を控えて会ったハンナラ党の関係者の中で8月24日に必ず投票してくれと、周辺に投票を勧めてくれと頼む人はいなかった。今回の住民投票がなぜ重要なのか、なぜ住民投票で勝たねばならないのかを説得する人もいなかった。住民投票で勝てるという信念を持った人ももちろんいなかった。> |