李春根
中国は「改革・開放」以降約40年間年平均9%台の経済成長を遂げた。特に1990年代の初めから20年間余りは経済成長率のほぼ二倍近い年平均15%以上の国防費の増額を続けてきた。東西冷戦時期500万人を超えた兵力を200万以下に縮小した中国が、軍事費をこのように増強させている理由は「規模を縮小しても手強い軍事力(Leaner but Meaner)」を建設しているからだ。このように軍事力の現代化を進めている中国軍の核心にはその力が日進月歩の中国海軍が位置している。
中国は、来年の8月1日に正式就役することになる航空母艦第1号の名前を台湾を占領して中国の領土にした清国の将軍の名前を取って「施琅」と名付けた。航空母艦を防御用とは言い張れないから、初めから攻撃用だと率直に告白しているわけだ。北東アジアはもちろん、全世界が中国の航空母艦時代がもたらす荒波に対応するための対策に忙しい。わが国も中国の海軍力増強に対してすでに苦心して準備してきた。その対策の一つが南済州道の西帰浦江汀洞に海軍基地を建設することだ。
あらゆる反対と妨害を乗越えて合法的な手続きを全部済まして建設を始めたのが昨年の11月だ。すると大韓民国内の従北・反米勢力は頭から工事現場に座り込む方法で海軍基地の建設を妨害し、工事が何ヵ月も中断しているのが現在の状況だ。すでに高句麗を中国歴史の一部だと強弁し、北韓が中国領土に属すると主張している中国は、韓国の海洋領土である離於島まで中国の領土だと言い張り始めた。西海が中国の内海だと主張して久しい。
済州海軍基地の建設現場で体を張って妨害している従北・左派勢力の反対論理は、米海軍が済州海軍基地を使う筈で、米・中間戦争が勃発すると済州道は中国海軍の攻撃標的になるという根拠の希薄な想像力から出たものだ。彼らの想像通り仮に米・中間で戦争が勃発するとこれは事実上第3次世界大戦である筈で、その場合、済州道は海軍基地があろうがなかろうが、海軍基地を米国が使おうがしまいが中国が攻撃し占領すべき戦略対象になる。済州道は米国はもちろん、中国にも致命的に重要な戦略要衝であるからだ。
従北・反米勢力のとんでもない主張と違って、済州海軍基地は米海軍に貸すためのものでなく、われわれ自らを護るために建設するものだ。日清戦争、露日戦争の主要戦場が、中・日、露・日の葛藤の間で中立国でありかつ事実上非武装状態だった朝鮮の地と海だったという凄絶な歴史の教訓をすでに忘れたのか? 8月10日に中国の航空母艦が試験航海を始めた事実は、粗雑な論理で済州海軍基地の建設を妨害し大韓民国を自害している勢力らをこれ以上放置できない切迫した状況が到来したことを知らせる兆候だ。
*この文は2011.8.20.中央日報に寄稿したものです。
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