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2011年03月30日 00:00
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開かれた心で=編集余話 瞻星台

 今回の地震と津波の被害を蒙った罹災者は援助品の支給の折、まず「ありがとうございます」と感謝の言葉が先に出る。不満を述べず黙々と列に並び整然と受け取っている。互いに助け合う姿に感動を覚える。一般民衆の非常時での処し方に感服する。外から見ればその姿に驚愕するのである
▼一方、役人は「この毛布は規格に20センチほど合わないので」と受け入れに難色を示したと信じられないできごとが報じられていた。毛布は数万枚。東南アジアの国からの善意だった。すったもんだの末、ようやく日本に届けられたという。電気が通っている東京でさえ寒い夜。多くの避難所で人々は寒さに震え、暖を取ろうと必死で眠れない夜を過ごしているのに、こんなやり取りがなされていた
▼被災者支援の場面では、「動物検疫を受けていない」という理由で空港を通ってやってきた外国の介助犬が介助を謝絶されるという例があり、フランスの医師団が「日本の医師免許がないから」という理由で被災者の診察を謝絶された
▼韓国食品大手の飲料水やインスタント食品は「安全を確認できないのでお断りします。あとで下さい」と門前払いされた。ところが水やラーメンの買いだめ現象が起きると一転OKになった。フランスの医師団の場合は話す言語のカベがあったのだろう。だが、その場でことに当たってみれば解決されたはずの問題である
▼非常時に互いに助け合う民衆の姿の一方で役人の頑なと思える対応ぶり。危機にあって原則を知り、罹災者の救助や食糧の支援など生命を優先する融通性が大事でないだろうか。

2011-03-30 1面
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記事: 統一日報  
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