趙甲濟 金正日政権が核爆弾を小型化しミサイルに装着して実戦配置する日が近付いたという危機感は、韓国社会に自衛的な対応核武装論の火を熾している。最近、李東馥(元南北高位級会談代表)、尹龍男(元合同参謀会議議長)、金大中(朝鮮日報元主筆)のような影響力のある人士たちが、この問題を公論化した。国民行動本部などの愛国団体も公開的に核武装を要求し始めた。 1.韓国は、国家指導部が決心さえすれば短期間で核爆弾が作れる。質や量で北を圧倒できる。 2.巨大な工業技術を持っている国、特に原子力技術の強国である韓国は、核爆弾製造において必須のプルトニウム再処理施設や高濃度のウラン濃縮施設を独自の技術で作られる。核爆弾の製造も短期間で可能だ。再処理の対象である使用済みの核原料や高濃縮の対象であるウランの保有量も膨大だ。技術と原料と人的資源は十分だ。問題は国家の意志だ。 3.法的に韓国の核武装を阻止しているのは韓国が加入している核不拡散条約(NPT)と再処理施設などを禁ずる韓米原子力協定だ。 4.こういう法的規制を脱するためには、韓国が核不拡散条約(NPT)から脱退し、韓米原子力協定を改正せねばならない。韓国政府は、敵の核武装を国際社会(国連、6カ国協議など)が阻止できなかったため、安保上の致命的な危機に直面している点を理由として、二つの障害を突破できる。われわれは、対応の核武装を国家生存のための主権の行使として規定せねばならない。われわれの論理を、周辺国や国際社会に通すためには、強力な外交力が必要だ。 5.大韓民国の核開発は、北韓、イスラエル、インド、パキスタンの核開発とは性格が違う。敵が先に核を開発し、国際社会がこれを放置しているから、われわれは生存のため核開発を選択するのである。国家の生存次元の自衛的な主権の行使を止められる論理や法は無い。 6.核開発そのものは秘密にしても、核開発の意志は公開的に宣布せねばならない。合法的に堂々とやらねばならない。そうするためには説得力のある論理が必要だ。韓国の核開発は、国家生存次元の自衛的主権行使であるだけでなく、核を廃棄させるための核開発、即ち「平和の核」であることを強調しなければならない。つまり、北韓政権が核を放棄したら、われわれも核を放棄する用意があるのを闡明することだ。(*左は蔚珍原子力発電所全景) 7.主権の行使による自衛的な目的の対応核開発は、主権者である国民の決断でなければならない。何人かのエリートたちが密室の中でやるべきことでない。国民が立ち上がって「国と民族が生きるために核武装をしよう」と主張せねばならない。核武装をおいて国民投票をする方法もある。韓国の核武装は、圧倒的な多数の国民世論が要求するものだから、阻止できないという印象を国際社会に与えなければならない。 8.自衛的核武装運動は、韓国人が長年の奴隷根性と事大主義を克服する絶好の機会でもある。われわれの生存は、われわれが決めるという姿勢で固く団結すれば、韓国社会が抱えている病弊の相当の部分が解決できる。 9.核武装をしたら国際社会が経済報復をするだろうと心配する人々が多い。安保のためには経済的な損害も甘受せねばならない時がある。われわれが合理的な論理と法理で国際社会に訴え説得すれば、制裁を受けずに済むこともできる。市場経済体制を持つ国々同士が経済制裁をすることはほとんど不可能だ。韓米FTAはそういう点で安全装置だ。核武装をしたやくざ政権から脅迫され国家存亡の危機に直面していることを強調し、北が核を廃棄したら韓国も廃棄することを明確にしてから、米国と中国の圧迫に対応できる外交力を強化していくこと、これがまさに奴隷根性や事大主義を克服する道だ。 10.ソウル市庁や光化門一帯で数十万人が集まる「核武装を促す国民大会」が持続的に開かれなければならない。「核主権の行使による自衛的核武装」は、今年の愛国運動の最も重要な主題でなければならない。 |