趙南俊(前月刊朝鮮理事)
無知な人間は勇敢になるのか。崔時中放送通信委員長(*写真)の話だ。経済専門家でもない人が、せっかく経済に対して一言いったが話にならないことだった。
崔委員長は、最近「売上額1兆2000億ウォンであるネイバー(NHN)は6000人を雇用したのに、12兆ウォンのSKテレコムは4500人を雇用しているのは問題だ。算術的にSKテレコムは6万人を雇用せねばならないではないか」と言ったと報道された。
そういう算術そのものが話にならないが、そのようなポピュリズム的発想はもっと大きな問題だ。特に特定企業名を言ったのは一国の長官級人士としては言うまでもなく、平凡な人としての基本常識すら持っていない無知の所産と見える。
SKテレコムは典型的な装置産業である。初期の投資費用が多く掛かり、長期間で投資額を回収する方式だ。装置産業であるだけに管理人員が少ない特徴を持っている。ネイバー(NHN)は知識集約産業だ。多くの人が多くの分野を管理する。当然人材投入が多くならざるを得ない。そのように人材投入が多くても投資額が少ないためNHNの売上額対比純益率はSKテレコムの3~4倍と知っている。
仮に、比較するならNHNはダウムコミュニケーションと、SKテレコムはKTと比較せねばならない。地上波放送3社の例をあげても良い。実はSBSが売上額対比人員数は最も少ない。だが、多くの人がKBSやMBCの余剰人材を批判し、SBSの雇用が少ないとは非難しない。
アップルやマイクロソフトは10人の天才が10万人を養う世界最高の知識先端企業だ。だが、アメリカ人の誰も二つの会社の雇用が少ないと批判するという話を聞いたことがない。
今わが国の青年失業率が高くて心配なのは事実だ。それで李明博大統領をはじめ、政府高位関係者らが、大企業が投資をしない、中小企業と共存しないというなどの理由で、税務調査、検察捜査の話まで出して大企業叩きに出ている。こういう時だから崔時中委員長も一言加えたようだ。ところが、あまりにもとんでもない例をあげて失笑を買った。
なぜ、売上額400兆ウォンの三星電子は同じ割合でNHNの333倍の200万人を雇用すべきだと言わなかったのか。
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