金成昱 1.天安艦事態後、国軍に対する世論の批判が高まった。国軍の統帥権者すら連日「軍も多少マンネリズムに陥った(4月21日)」、「軍を果敢に整備すべき時」、「軍全般を点検するのが重要だ(4月22日)」と言った。少なくない市民が同意する。 軍がマンネリズムに陥っているなら徹底に点検し、果敢に整備せねばならない。だが、今はその時点でない。点検と整備が必要だとしてもこういうやり方は間違っている。 2.私は2008年の夏から今年2月まで、全国の軍部隊200ヶ所余りを回った。参謀総長の前にも立ったし、丸坊主の兵士たち30人余りを相手に講演するため5時間以上車で走ったことも多かった。一日中、電車と汽車と「デモクラシー号」に乗り換えながら白翎島にも行った。多くの「星(将軍)」に会い、同じ年配の将校たちと対話をした。 マンネリズムに陥った部分、点検や整備が必要なこともあった。左派政権10年間を経ながら「対敵観」が模糊となった将校も見た。未熟な北韓学者の真似をしながら「太陽政策」を擁護する人々にも会った。「進歩」なのか「親北」なのか曖昧な質問を投げる将校を見て力が抜けることもあった。 軍が完璧な集団ではない。だが、1年以上軍部隊を回りながら、絶対多数の将校たちの国家に対する献身と犠牲と忠誠を見た。彼らは自身を国家と同一視していた。2%ほど曖昧な人々さえ社会に出れば極右という非難を受けるかも知れない。 将校たちは今でも崩れそうなみずぼらしい軍人アパートで「雀の涙ほど」の給料で生活を営む。この部隊、あの部隊と全国を転々するため子供の教育にも苦労していた。いわゆる「文民政府」以降軍に対する世間の認識も良くない。北韓でなく軍人を主敵視する左翼の扇動のせいだ。 絶対多数のこの国の将校は、貧困と冷笑と天安艦のような「大事故」の後に浴びせられる非難を受けても、矜持と使命感だけで耐えていた。私がこの国を護る! 彼らは世間から離れて修道する山中居士のように純真だった。 20‐40代の青年層で左傾化されなかった唯一無二の集団でもあった。 私が会った将校たちの中から100人だけを部下にしても、北韓解放も、自由統一も、一流国家の建設も出来そうな愉快な想像もした。祖国に対する透明な愛を守る彼らのフォース(force)は、多い給料、(世間からの)良い評判、明るい展望からくるものでなかった。彼らを支える力の源泉は矜持と使命感だった。 3.南・北韓左翼の大韓民国破壊方法は簡単だ。軍人と警察を笑いものにすることだ。暴力や馬鹿騒ぎの乱動に対する警察の鎮圧を「殺人警察」、「殺人鎮圧」と罵倒して法治を破壊してしまう。 同様だ。天安艦の沈没後、左翼はあらゆる非難の矢を軍に集中させた。露骨かつ幼稚な方法を総動員した。平気で嘘を吐いた。全てが軍人の士気を落とすためだった。安保を破壊する方法がそういうことだ。きつい軍人生活をやめたいと思うようにさせれば成功だ。 万一、軍隊を果敢な整備や点検が必要なマンネリズムに陥った集団だと批判せねばならないなら、一般行政の官僚組織は骨を換えるべき改革の対象だ。与野党の政界こそ消耗的政争ばかりで明け暮れる非難の対象だ。天安艦テロを起こした北韓は軍事的に潰滅させるべき対象だ。 本当に非難されねばならない集団は放って置いたまま、削減される国防費にも愛国心だけで頑張ってきた軍を罵倒するのは自らを不利にすることである。南・北韓の左翼が作った反軍世論に力を付け、揺れた安保を踏みにじる措置だ。誰もが軍人と警察を罵っても最後まで彼らを護る人が大統領でなければならない。善良な国民を護る集団が軍人と警察であるためだ。 私は数日前、警察を相手にこう講演した。 「私が国軍の統帥権者なら、警察と軍人の処遇を1.5倍改善します。統一後は3階級の特進が不可避(?)でしょう。混乱した北韓地域を管理する主体がまさに軍人と警察であるからです。頑張って下さい。皆さんこそが自由統一の主人公たちです。」 |