張真晟(脱北詩人、「私の娘を100ウォンで売ります」の著者)
平壌の朴南基「労働党中央委」部長が去年年末に断行された貨幣改革(09.11.30)の失敗への問責で職責を解任され公開処刑されたという国内言論の報道は事実でないと複数の北韓筋が3月26日明らかにした。
現在海外滞在中のこの消息筋は、「貨幣改革は全面的に内閣が実務的に主導し、朴南基部長とは全く関係のないことで、彼が責任を負うべきことでない」と話した。
消息筋は、「朴部長は、3月26日現在現職を維持しており、業務に充実している」、「撤職(解任)説や処刑説はナンセンス」と一蹴した。
消息筋は、「朴部長が最近金正日の前で些細な『失言』をして金正日から叱責を受けたことがある」とし、「(このため)金正日の公開活動を随行する『行事組』の名簿から除外された」と伝えた。
また、朴南基が「行事組」名簿から除外されるや金正日の公開活動資料を製作・配布する「5号文献編集社」(労働新聞などでは「政治報道班」と明記)の担当者たちがすでに公開された資料からも彼の姿を削除する「過剰行動」を見せていると消息筋は付け加えた。
(社)北韓戦略センターの情報分析室は、朴南基部長の解任-処刑説が言論に報道された当初から二つの観点から信憑性に疑問を提起してきた。
一つは、朴南基が貨幣改革の主役でなかったという点だ。貨幣改革は初めから内閣が実務を主導し、責任を問うなら総理をはじめ内閣の主務部署の人々に問うのが道理であるためだ。
もう一つは、北韓が政策の誤りや失敗を理由に高位幹部を処刑した事例が殆んどないという点だ。一例として、去る97年8月の徐寛煕前労働党農業担当秘書を公開処刑した時も彼に付けた嫌疑は農政の失敗でなく「米帝のスパイ」だった。/社団法人北韓鮮戦略センター情報分析室
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