趙甲済
黄長燁先生の回顧録によれば、1990年代の末、大飢饉で危機に陥った金正日は側近たちにこういう話をしたという。
「同志たちから党の信任を取り外せば何が残りますか? 単なる肉の塊であるだけです。」
この話を聞いて黄先生(当時国際担当秘書)はこう考えたという。
「もし、私たちが肉の塊なら、君もまた権力を離れては人民の審判を受けて滅多突きされて当然の肉の塊だ。」
打っ手繰り式の貨幣改革で、血と汗で稼いだカネを奪われた北韓住民たちは、金正日を尊称なしで呼び始めたという。「首領独裁体制」の下で首領に対する尊敬心も恐怖心もなくなるということは、彼(金正日)がチャウシェスクの道(運命)に差し掛かったという証拠だ。
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