金成昱
堅く見える金正日政権も致命的な急所がたくさんある。閉鎖された体制へ飛ばす自由の「対北風船(ビラ)」がその一つだ。
北韓側は、1月13日、南韓内民間団体の「対北ビラ」散布行為を非難しながら、韓国当局に主動者の処罰を要求した。「南北軍事実務会談」の北側団長は、この日の電話通知文を通じて、「対北ビラ送り国民連合が、1月1日、京畿道坡州市の臨津閣から、反共狂症に駆られて、数十万枚のビラをわが方(北側)へ飛ばして送る乱動を働かせた」、「こういう行為を敢行した極右保守団体らを直ちに解散し、主犯らを厳罰に処せよ」主張した。
核爆弾やミサイルで武装しているものの、風船やビラ何枚にぶるぶる震えるのが北韓の現実だ。12万ウォン(日本円で1万円)で6万枚を運ぶ大型風船一個を飛ばせる。脱北者出身の李民馥氏に12万ウォンを後援すれば、お金を提供した人の名前が書かれた風船を飛ばした後、動画のメールまで送ってくれる。国民が若干のお金さえ醵出すれば、北韓政権を無制限に掻き乱せるのだ。
もっと積極的には、「南北協力基金」の一部を脱北者の救出に回さねばならない。現在、脱北者の救出のための費用は1人当り200万~500万ウォン程度だ。
例えば、2009年に執行した1兆5085億6100万ウォンの南北協力基金を脱北者救出に使ったら、最大75万4280人の脱北者を救うことができた。同じ方式でこの基金を使ったら、盧武鉉、金大中政権中、各々282万9050人と103万8450人が救出できたはずだ。1991年以来現在まで使われた南北協力基金を全部脱北者救出に使ったら、何と486万7630人を救えたという数字も出てくる。この数値は、去る20年間500万人の脱北者を救出できたはずなのに、北韓政権を支持・支援・強化することにばかりお金を使ったということだ。
北韓の共産独裁が崩れ、自由・人権・法治を尊重する普遍的秩序が出現してこそ、核問題と人権問題、統一問題が解決される。大韓民国の破壊に全力を注ぐ親北左翼を無力化させる方策も、北韓の共産独裁を崩壊させることだ。12万ウォン(1万円)あれば、大型風船一個を送れるから、若干のお金で北韓を揺るがし、揺るがし、また揺るがせねばならない。
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