金成昱
1.北韓は二つの概念を持つ。貧しくて迫害される2300万の北韓同胞がおり、この同胞を打ち殺し、凍らせて殺し、餓死させる北韓政権がある。
大韓民国の憲法は、北韓政権と北韓同胞を区分して、前者は平和的に解体し、後者は解放しろと命令する。これが平和的な自由民主主義統一、すなわち「自由統一」だ。
大韓民国の統一部は、北韓政権の平和的解体を通じての自由統一をなすために存在し、統一部の「南北協力基金」もこの目的に使わなければならない。だが、果たしてそうだろうか?
2.統一部が最近発表(2009年11月30日)した「南北協力基金」の統計によると、2009年に1兆5085億6100万ウォンの南北協力基金の支出を計画していた。統一部が、2008年12月15日に初めて発刊した「2008年度の南北協力基金白書」によれば、政府は1991年以来18年間、総9兆3225億ウォンの基金を助成して8兆2267億ウォンを執行した。特に盧武鉉政権が5兆6581億、金大中政権が2兆769億ウォンを執行した。
「南北協力基金」は盧武鉉・金大中政権の時、「自由統一」という「憲法的命令」を実践するどころか、露骨な反逆、違憲、不法的用途に使われてきた。
統一部は、▲「連邦制」の実践を規定した「6.15宣言」関連の南北共同行事に天文学的に支援したのをはじめ、▲「利敵団体」である「韓総連」などの幹部が主導または参加した行事に活動費を支援し、▲「反国家団体」である「朝総連」所属の人々の故郷訪問、▲オーマイニュースの「平壌マラソン大会」の支援、▲文益煥牧師10周忌行事支援、▲「尹伊桑音楽会」の南北公演支援、▲平壌ボクシング大会の開催支援など各種の名目で億台の支援をしてきた。
例えば、「利敵団体」の幹部が主導した行事に3億4400万ウォン、彼らが参加した行事に12億5600万ウォンが支援されたが、このような行事としては、▲2006年5月、2005年5月7月の「金剛山南北大学生行事」(2億9800万ウォン支援)、▲2006年1月の「金剛山新年統一行事」(9千100万ウォン支援)、▲2005年の「6.15民族統一大祝典」(6億5千900万ウォン支援)、▲2001年の「6.15宣言記念民族統一大討論会」(2億5300万ウォン支援)などがある。
統一部は、甚だしくは、▲北韓の「にせ物(宣伝用)」教会である「鳳岫教会」の再建築事業に4億8千2百万ウォンを支援し、▲いわゆる「金日成総合大学」の図書館現代化事業に総9億2千万ウォンを支援し、▲ 2005年8月平壌の「新美里愛国烈士陵」を参拝した民主労働党の訪北経費3千9百万ウォンの支援に続き、▲ 2006年5月平壌の「大城山革命烈士陵」を参拝した「民主労総」の訪北経費6千9百39万ウォンを支援した。
平壌の「愛国烈士陵」と「革命烈士陵」は、金日成の死体がある「錦繍山記念宮殿」と共に北韓のいわゆる「3大革命聖地」として北韓体制建設に寄与した骨髄共産主義者らが葬られたところだ。
政権交替後「南北協力基金」の使用行態は改善されたが、相変らず北韓政権支援に集中している。
今年の使用内訳を見ると、▲「民族語大辞典」編纂事業への南北協力基金支援(29億ウォン)、▲「秋夕」を迎えての離散家族対面行事(12億6千300万ウォン)、▲統一農水産事業団の共同営農事業(2億8千万ウォン)、▲東海線の南北出入り施設の共用ヤード建設事業(134億9千100万ウォン)、▲開城工業地区「総合支援センター」の設立支援(171億)、▲開城工団の北側勤労者の出退勤のための南北協力基金の貸出し(11億5千200万ウォン)、▲開城工団管理委員会の所要経費への南北協力基金の貸出し(74億4千400万ウォン)、▲現代峨山(株)への経済協力事業資金の貸出し(60億)などだ。
偏に、開城工団など金正日政権を助けるものであり、自由統一はもちろん、北韓住民の暮らしの実質的改善とは何の関係がない。
3.現在、脱北者の救出には1人当り200万~500万ウォン程度が必要とされる。2009年に使用を予定した1兆5085億6100万ウォンの「南北協力基金」を脱北者の救出に使ったら、最大75万4280人の脱北者を救うことができた。同様の方式で南北協力基金を使ったら、盧武鉉-金大中政権の時、各々282万9050人と103万8450人が救出できた。
1991年以降現在まで使われた南北協力基金を専ら脱北者の救出に使ったら、何と486万7630人を救えたという数字も出る。
(*2008年12月15日発刊された「2008南北協力基金白書」は、2008年9月末までの累積額で、同年の10月-12月間の使用額が落ちたもので、「1991年以来現在まで執行された南北協力基金」は、白書に記された累積額8兆2267億ウォンと2009年の支出計画額の1兆5085億6100万ウォンを合わせた金額だ。つまり、2008年10月、11月、12月の使用額が落ちた金額だから、実際は486万7630人よりもっと多くの人を救うことができたという推定が可能だ。)
「北韓解放」と「自由統一」が難しい理由(原因)は大韓民国にある。大韓民国が「南北協力基金」の100%でなく10%、いや1%だけを使っても数十万人を救えて、金正日政権は倒れたはずだ。結局、2300万の同胞を生き地獄に追詰めた主犯は金正日で、共犯は大韓民国の国民だった。
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