金成昱
北韓のいわゆる「貨幣改革」以後聞こえてくる暴力・殺人・放火など混乱の消息は(南・北の)60年間の「内戦」の終息を予告する。今われわれがやらねばならないことは滅びる金正日体制をもっと早く滅びるようにすることだ。「5千年民族史」の最悪の変種である「金日成主義」を一日も早く滅亡させ、自由・人権・法治といった普遍的体制を北韓に確立せなばならない。
北韓体制の弱い繋ぎ目を一層弱くさせる工作(operation)が必要だ。
1.金正日体制は今市場との戦争をやっている。いわゆる「貨幣改革」も原始的ではあるものの資本主義へと変わっていく北韓体制を社会主義へ取り戻そうとする試みだ。
韓国は北韓内の地下経済を育てる工作に出るべきだ。南韓にきた脱北者1万7千人の大部分は北韓に残っている家族や親戚にお金を送る。彼ら脱北者を通じて北韓の社会的脆弱階層を助ける多様な通路を見つけねばならない。金大中・盧武鉉政権10年間、北韓「労働党政権」に支援した9兆ウォンの一部だけをここに回せば、北韓は市場によって崩れるか、変化するかのどちらかの道を辿るだろう。
2.北韓は今南韓産CDやビデオとの戦争をやっている。南韓産を複製したCDが氾濫し、韓国の「映画とドラマ」は爆発的人気を得ている。北韓当局が韓国の歌を歌った人やCD販売をした人を公開処刑してもなすすべが無いという。南韓産の成人用CDは、一枚に50ドルで売っても上流層では品が足りない状況だという。2002年、金日成大学学生1万人の持ち物を検査したところ、韓国のビデオ・書籍などが50Kg入り袋で11個分が出た。550kgに達する分量だった。
韓国は、北韓の内部に韓国文化を伝播する工作に取組まねばならない。鴨緑江や豆満江地域を通じて、韓国のCDやビデオを流通させ、本や雑誌・写真、韓国を紹介するプローシャーを作ってばら撒いても良い。最も簡単な方法は、「対北風船」にこれらの文化物品を入れて飛ばすことだ。大型の風船も開発する必要がある。
「風船」にビラを入れても良いが、資本主義の果実である鮮やかな包装のCDやビデオ、雑誌・写真などを送るのがより良い場合もある。読み終わった雑誌を確保して北韓へ飛ばす運動を展開しても良いだろう。
3.北韓は今「イエス屋」との銃声のない戦争をやっている。「北韓の最も深刻な主敵は、アメリカでも韓国でもない、まさにイエス(クリスチャン)屋らだ... 北韓は結局「イエス屋たち」により崩れる(月刊朝鮮2008年11月号)」という話は誇張でない。北韓内のいわゆる「地下信者」が増えて、ある道では道民の34%が「キリスト教に接したことがある」という統計も出た。北韓当局は1995年以後、最少3720人の地下教会の信者を処刑したが抑えられなかった。
韓国の教会は、平壌の「鳳岫教会」にドルを捧げる馬鹿な真似を悔改め、北韓内の地下信者の支援へ宣教の力量を集中せねばならない。キリスト教信者は所得の10分の1を献金することになっている。この献金の極一部を「真の」北韓宣教使えば、金正日体制は持ち堪えられないはずだ。
4.北韓内エリートたちの金正日体制からの離反が進んでいる。社会主義や共産主義に対する本質的懐疑が拡散しているのだ。韓国は彼らを一種の「親韓派」にする工作を始めねばならない。
平和な自由民主主義への統一は、北韓の崩壊を促進する対北経済工作、対北文化工作、対北宗教工作、対北政治工作を通じて達成できる。
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