趙甲済
米・中頂上会談の共同声明は、「北核問題」に対して、「6者会談を引続き推進し、中国は米・北の接触を歓迎した」と言った。中国主席の胡錦涛は、記者会見で「われわれは韓半島の核問題を対話と交渉を通じて解決することに合意した」と言った。
北韓は「6者会談」へ参加しながら原爆実験を2回やった。北韓は2005年9月と2007年2月の「6者会談」の合意文を通じて「核廃棄」に同意したが、2回とも原爆実験でこの約束を破った。そのような北韓を相手に「対話と交渉」を通じて核武器を廃棄させるという話は、金正日の耳には「原爆を容認する」という意味の別の表現に聞こえるはずだ。
金正日は、2002年9月、小泉日本総理に会った時、「中国とロシアは、我々の核保有を支持している」と話したという。中国は、1982年にパキスタンへ濃縮ウラニウム50kgを提供して核爆弾を二つ作るようにした。中国が1980年代から北韓、イラン、リビア、パキスタンの原爆開発を支援してきたという主張が、アメリカの専門家たちの間で提起されている。中国はその気にさえなれば北韓の原爆を廃棄させられる手段を持っているが、北韓に対する石油供給中断のような決定的な措置を取らない。中国は、「核を持った北韓」が、「崩壊する北韓」より中国の国益に有利だと判断しているのが確実だ。
中国が北韓を庇っているのに、アメリカはその中国に対する圧迫を放棄し、北韓とは直接接触するとしながら、「6者会談」を続けるという。北韓の原爆開発を支援し、庇護する中国が主導する会談であり、すでに実効性を喪失したことが確認された「会談」だ。こういう会談の持続にアメリカが同意したとすれば、アメリカも北の核武器の早急な廃棄を事実上諦めたということになる。こういう状況で、李明博大統領は「グランド・バーゲン」という奇異な用語を作って夢のような一括妥結だけを主張する。
今や結論を下すべき時だ。中国主導の「6者会談」は、六つの国が自らを騙し、お互いに騙し、世界を騙す「6詐会談」だ。北韓の核武装を絶対に許せないなら、米国、韓国、日本は、「6者会談」の外で新しい解決策を模索しなければならない。「対応の核武装」、金融制裁の強化、北韓政権の崩壊工作など、三国が持っている手段-お金、言論、人権、情報を総動員して北韓体制の変化を誘導せねばならない。北韓住民の手で金正日独裁政権を倒すのが「北核問題」解決の近道であろう。
自由世界の軍事力を盾として共産世界の侵略を阻止する間に、お金、人権、情報を槍にして共産世界を刺しまくって、遂に内部から変化が起きて銃弾一発撃たず崩れるようにさせた東西冷戦の勝利戦略を北韓に適用できない理由がない。
アメリカと中国が、今度の頂上会談で「北韓政権の核(原爆)開発」という表現の代りに、「韓半島(朝鮮半島)の非核化」という表現を使ったことは不吉だ。「朝鮮半島(韓半島)の非核化」とは、北の核武器だけでなく、米軍の核まで含む北韓式用語だが、これは駐韓米軍の撤収と「韓米同盟」の解体へと繋げるための北韓の用語混乱戦術だ。
北韓は、「韓半島の非核化」、「平和体制の樹立」などの用語を踏台にして、駐韓米軍の撤収を最終目標にしている。盧武鉉政権が強行した「韓米連合司令部」の解体作業は、こういう北韓を決定的に助けたものだ。10年、あるいは20年後、韓国は北韓の核武装を防げなかった状態で、韓米同盟を失い、「従北(従金正日)勢力」に包囲されているのではないだろうか? 韓国が生存するためには、北韓政権崩壊工作を進めねばならない状況に追われつつある。この「崩壊工作」の核心は、偽りの上に建てられた北韓政権を、真実-正義-自由とうい陽光で溶かしてしまうことだ。
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