金泌材
アメリカのリベラルの人々の間で、米・北韓の「直接交渉」の可能性が言われたのは昨日や今日のことでない。彼らはいつも「北核廃棄」を前提とした「対北協商」を一貫して言ってきた。ところが、「北核廃棄」をさり気なく抜いた「対北協商」が「時間の問題」になったようだ。
と言うのは、金正日の核爆弾を頭に載せて生きる韓国自身が何もしないから、アメリカが敢えて原則を守る必要がなくなったからだ。韓・米両国の大統領が、韓半島の自由統一を支持するとは言ったものの、胸の内はそうでない。同床異夢だ。オバマ行政府の内で対北政策を主導する人々は、大体直・間接的に中国との利害関係に関わる人物が多い。
結局、韓半島を巡るアメリカ内のリベラルと中国の接点は、その間保守性向の専門家たちが指摘し続けてきたように、韓半島の現状維持(分断状況の維持)を目指すだろう。パキスタン、イラン、北韓などの「問題国家」に核技術を拡散してきた中国は、韓半島が自由統一されるのを望まない。
中国は、韓半島の分断状況を維持し、東北アジアの地域覇権の維持や核技術の拡散、そして改革-開放に偽装した「変形共産経済」の輸出に注力するだろう。一方、アメリカのリベラルは、「北核」を中国の管理下に置く代わりに、「北核」の非拡散に注力する戦略を選択する可能性が高い。
これは「北核」除去のための全面戦争を敢行する可能性のない状態でのどうしようもない選択だ。結局、国際社会が事実上「北核」の実体を認める状況になる。
余命わずかな金正日は、何を残して地獄に行くつもりだろうか? 改過の見込みの全くない金正日の今までの行動から見れば、彼は自分が作った核を一層精巧化させると思われる。それは2012年以前に「中性子弾」のような高性能の核武器を保有することになるだろう。
中性子弾は、核技術の完成を意味する。中性子弾とは水素爆弾の変種で、水素爆弾の起爆剤である原爆を普通の化学弾で代替して、爆弾を覆うU235を無くした形態で、放射線の放出を極小化し、単に透過性がとても良い中性子を放出させることで、人命だけ殺傷するように作られた爆弾だ。北側の立場からは戦場の狭い韓半島で使いやすい。
水素爆弾保有の可能性も注視せねばならない。水素爆弾は「熱核爆弾」とも言う。原子爆弾(ウラニウム235かプルトニウム239の核分裂爆弾)を引き金とする核融合爆弾だ。この水爆のようなメガトン級の爆弾は、地表爆発の場合、風向きによって150km以上にわたって放射能の降下による致死地区を形成する。今日の戦略武器と呼ばれる大型の核爆弾がこれに属する。
北韓(金正日)が中性子弾や水素爆弾を保有するようになったら、東アジアでどういうことが起きるだろうか? 結果的に米・中・ロシアなどの国々が韓半島の「現状維持」を骨子とする、いわゆる「東北アジア軍縮会談」をやる可能性も高い。金正日の「崖っぷち戦略」に振回された韓国はなすすべが無い。
韓国は今のままで行けば結末が見える「死の駅」へ向かって走っているだけだ。この状況をどう打開すべきか? 急がば回れと、原則に戻らねばならない。金正日がもたらす災殃を遮断するための韓半島有事計画を一つで統合する「マスタープラン」を、韓-米-日の軍事専門家たちの参与で作らなければならない。
同時に、南韓主導の自由統一の雰囲気を高揚されるため、北韓住民に自由世界のことを教える作業を地道に行うことだ。これはたとえ北側が中性子弾と水爆を保有しても続けねばならない。
軍事的には他の代案がない。核には核をもって対応するのが原則だ。アメリカの「核の傘」が信頼できなくなったら、対応の核開発をやるしかない。韓半島に決定的な瞬間が迫りつつある。われわれに与えられた時間がそんなに多くない。金正日を力で屈服させる意志が必要な時だ。
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