趙甲済
朴槿恵議員が2002年初に平壌に行って金正日に会った後、彼女から北韓政権の蛮行に対する本質的批判を聞いたことがない。この期間に北韓政権は大韓民国に対してあらゆる脅迫、挑発、嘘、工作を行なってきたが、大韓民国の大統領になろうとした朴議員からは確りとした話が聞こえなかった。「金正日に会った後、人が変わった」と心配をする愛国闘士らが今も多い。
この期間中、朴槿恵氏の主敵は金正日政権でなく、李明博勢力だったという感じさえする。 2007年ハンナラ党の大統領予備選で、李明博候補を標的とした朴議員の攻撃は先例のないほど激しかった。朴候補は僅かな差で負けた後、李明博候補を支持した。
李大統領の直系はその有り難みを裏切り、2008年4月の総選挙の時、金武星議員など親朴議員たちを公認から大挙脱落させた。これに対する朴槿恵側の反撃が「親朴連帯」の出帆であり、「親朴」候補たちの無所属としての出馬だった。朴槿恵支持者らは、李明博直系の李方鎬議員を落選させるため反大韓民国路線を歩む民主労働党の姜基甲候補を応援して当選させた。
民主国家で一個人の名前を取った政党が登場し、その当事者はその党と関係がないように行動しながら他の党で活動する史上初めてのことが起こった。以後、朴槿恵議員は李明博大統領が困難に遭う度に反旗を翻し、野党や左派の肩を持った。
1.昨年、MBC-民主労働党-民主党-全教組の勢力が、アメリカ産牛肉の輸入と関連して、偽りの扇動で国民を騙し、「ロウソク乱動」を起こした時、朴槿恵議員は危機に陥った政府を批判し、不法のならず者らを批判しないことで、事実上暴徒の肩を持った。
2.今年初め、ソウルの龍山で、火炎瓶で武装した示威隊が大通りの建物を占拠し、大型のパチンコで火炎瓶や鉄球を発射するなど、危険千万な都心暴挙を起こした。彼らは、警察特攻隊が鎮圧のため建物の中に入るや火炎瓶で火事をおこして警察官1人を含む6人が死ぬ事故がおきた。 この時も、朴槿恵議員は警察が急ぎ過ぎた鎮圧作戦を行なったと批判した。
3.今日(7月19日)は、李明博政府とハンナラ党が命運をかけて推進する「メディア関連法」に対し反対票を投ずると表明した。
上の事例で見られるように、朴槿恵議員は決定的な瞬間に警察、政府、大統領、与党を批判し、それで結果的に左派、暴徒、野党に肩入れする。大統領になろうとする人が、北韓側の核実験やミサイル発射、開城工団勤務者の不法抑留などの蛮行に対しては沈黙する。こういう行動を分析すると、朴議員は左派の票を得てこそ次期大統領に当選できると考えているようだ。
不思議なのはそれでも朴槿恵支持者の中には左翼を嫌う真正保守勢力が多いという点だ。この人々の相当数は、朴議員が左派の肩を持っても朴議員を反対(批判)しない。自分たちの理念を捨てて無条件朴議員を支持する。「朴槿恵は慶尚道のDJ(金大中)」という表現まで登場した。
朴議員が反対すると公言した「メディア法」に反対している勢力の核心は、「公営放送」の仮面をかぶった「公共の敵」であるMBCをはじめとする左傾勢力だ。反対者らの中には、「民主」の名で民主を破壊する「民主悪党」らも多い。大韓民国の憲法精神に反対する人々も多い。朴議員の行動は結局彼らを支援する結果になるだろう。
今は政権が放送を掌握しているのでなく、放送が政権を掌握した形だ。
2002年の金大業の詐欺暴露の支援、2004年の盧武鉉弾劾事態の時の大統領救い、2008年の「ロウソク乱動」の時不法暴徒への肩入れ、そして2ヶ月前の盧武鉉の自殺美化など。扇動放送の前歴は派手だ。朴議員は自分の今日の行動がこういう煽動者らを有利にするという認識もないのか? でなければ扇動放送の助けを得て大統領になるという気なのか?
朴議員が政治を正直にしたいなら、ハンナラ党から離党し「親朴連帯」に合流するか、新しい党を作るのが真っ当のようだ。朴議員の行動は、ハンナラ党の路線だけでなく、大韓民国の路線にも合わない。路線がこんなに異なるのに、李明博大統領に朴議員を包容せよと勧めるのも無理だ。
私は、2007年のハンナラ党の大統領予備選で朴槿恵候補が負けた理由の一つは、北韓政権と「従北勢力」に対して断固たる態度を取らなかったことで、多くの右派票が李明博候補に行ったためだと見る。朴議員陣営の人々は概してこれと異なる分析をした。朴議員があまり右派的に見えたため負けたという。 そういう反省と計算に基づき、これからは左派票を得る努力を続けるようだ。慶尚道住民らと朴正煕支持者らは固定票だから、右派を怒らせる政策を展開しても、固定票に左派や他地域の票を追加する戦略を推進する模様だ。果たしてこの戦略が中るだろうか?
しかも、金正日の重病、盧武鉉の自殺、金大中の入院で象徴される南・北韓左翼の受難時代に、親左派的言動をするのが正しいことなのか? 正しいかどうかを糺す前に、これがまともな戦略であり計算なのか?
天下の大勢は、韓半島の左翼勢力の孤立と没落だ。朴議員が、いくら人気が高いといってもこの大勢を逆らって青瓦台に辿り着けるだろうか? 疑問だ!
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