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2009年07月09日 17:01
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ウルムチ哀歌
柳根一
中国の辺境地のウルムチで起きた流血事態の因果関係を微視的に分析はしない。 ただ、それを見ながら感じる一つは、歴史は変化するようでも昔も今も変わりがないという点だ。アジア大陸内部の戦いは、結局中原の漢族と辺境の非漢族の間の争奪戦であること、そして漢族覇権主義とそれに対する非漢族らの対応だったわけだ。
 
もちろん、これが東洋史の唯一のパターンだったというわけではない。だが、そういう性格が非常に濃厚だったと言うのに大きな無理はないだろう。 我々の古代説話に登場する蚩尤天皇というキャラクターが、涿鹿戦闘で中国皇帝に敗北したという件も、おそらく漢族と非漢族の古い対称関係を象徴すると言える。似た事例がモンゴル、ベトナム、チベット、トルコ、ウイグル、女真、契丹...族にもあるだろう。 現在で見ると、この長い対立で中国の覇権主義が勝っている状態と言ってもいいだろう。
 
ここで想起されたいのは、韓国人らがなぜ日本の覇権主義にだけ敏感に反応し、中国の覇権主義に対しては押し黙っているのかということだ。わが先代らが漢、唐、宋、明に対しては手厚い慕華思想を捧げながら、日本に対しては倭と見くびったように、今の韓国人らも「中帝2千年」に対しては「日帝35年」に対するほどの敵対感を持たないようだ。これは中国に対して必ず敵対感を持たねばならないという意味の話では決してない。 なぜ「中国覇権主義」の危険性を、「日本覇権主義」の危険性に比べて半分の半ぐらいも思わないのか、それが果たしてそれだけの理由や根拠があるものかと問うだけのことだ。
 
清国の袁世凱の横暴が、日本の伊藤博文の横暴よりましだったのか? 壬辰乱の時、明が韓半島を日本と半々ずつ分轄する構想を推進したことを今日の韓国人が果たして知っているのか、そして日本の歴史教科書より中国の「東北工程」は遥かにましだと思える証憑でもあるのか、つくづく噛み締めてみるべきことだ。
 
チベットやウイグルが中国の安保上致命的な要地であるのは間違いない。しかし、それに対する理解とは別個の次元で、チベットとウイグルに対する中国の征服者的な姿勢はそれなりまた別の基準で是非の対象になり得る。 チベットとウイグルに対してそのように対応する中国は、場合によってはわが韓半島に対しても、いつでも必要によってその気にさえなればそのように出てくる可能性を示唆するものでもある。
 
日本も中国も、われわれには地理的に近い国だ。 重要なことは、威嚇はいつも近いところからくるという事実だ。故に古くから「遠交近攻」という外交術が一つの古典的な方策として提示されてきた。 日本も中国も、われわれにはともに危険性のある国だ。 この点から、韓米同盟は非常に有効な「遠交」のパートナーになり得た。韓米同盟が弱まれば金正日はもちろん、日本と中国がわれわれを見くびって好い加減に出てくることがあり得るのを韓国人は分らねばならない。 いや、すでにそのような兆しが現れている。
 
ウイグル事態とチベット事態を見て、それが他人事のようでなく感じられるのは、それと似た事態がもしかしたら高句麗の滅亡後にもあったではないかと想像されるからだ。そして誰が分かろう-ひょっとして将来に似たような事態が北韓の地で再演されないという保障が本当に100%あるだろうか? 「漢江の南の過去三韓の地だけが君たちもので、漢江の北は中国の地方政権だった」と宣言し、そのまま「中国式」で攻めて来たら? これは杞憂だろうか、過敏だろうか、推理小説だろうか? ウイグル人とチベット人の受難に深い憐憫の情を感じる。
 
柳根一の耽美主義クラブ http://cafe.daum.net/aestheticsmclub 2009.07.08 19:13
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