鄭昌仁(インターネット独立新聞主筆)
合意とは守るという約束だ。たとえ不利な負担があっても、守る時に合意は効果がある。有利な時には守り、不利な時は廃棄するなら、それは合意でなく一方的な独裁的強圧に過ぎない。たとえ合意の形式を取ったとしても合意でなく一方的な意思の表現に過ぎない。
北韓の金正日共産軍事独裁政権と結んだすべての合意は間違ったものだった。最初の文書の「7.4南北共同声明」から最近の「6.15宣言」や「10.4宣言」が、全て北側の一方的な主張だけが反映された文書だ。したがってそれは当初から守られない偽物の合意だった。不利ならいつでも無効と宣言できる相手と結んだ合意に、自らが縛られると、これは敵に屈服しただけのものであって合意ではない。
こういう誤りは、韓国政府が対北政策と統一政策を混同したところから始まった。われわれは自由統一を目指す。したがって北韓政権を認める如何なる文書も、わが大韓民国憲法に違反する。それでも不必要な軍事的衝突を防止するため相互合意することまでを我々が忌避する理由はない。したがって対北政策はあくまでも軍事的衝突危険を統制するための合意に限定しなければならない。
ところが、歴代の「南北合意」は、全てが北側の対南戦略に乗られたものだった。それで筆者はこれまで全ての南北合意文書の無効を宣言すべきだと主張してきた。ところで幸いに北の共産軍事独裁政権が自らすべての南北合意文書の無効を主張して出た。敢えて請わざるといえども、もとより願うところなりという話がこうした時に当てはまるようだ。
われわれは北側の今度の宣言をそのまま受容れ、新しく対北安保政策と統一政策を樹立しなければならない。窮極的に北韓政権は除去すべく、北韓同胞を解放して北韓に自由を拡散し、大韓民国が主導して吸収統一を成就するように統一政策を樹立し推進せねばならない。
その過渡的過程で軍事的挑発を防止できるように安保次元で対北政策を新しく樹立し推進すべきだ。そして窮極的に北韓政権の崩壊をもたらせる対北政策を樹立して推進しなければならない。
統一を成就するその暁までは、国政の優先順位が安保でなければならない。そして圧倒的軍事力を構築して北韓を吸収できるよう、この際対北政策と統一政策を原点から樹立し直さねばならない。今中途半端に過去へ戻ろうとしてはいけない。新しい出発のできる好機を迎えた。この機会を逃してはいけない。
鄭昌仁[独立新聞主筆]http://blog.chosun.com/cchungc
|