趙甲済
洪準杓ハンナラ党院内代表は、1月21日、龍山撤去民籠城場惨事と関連し、次期警察庁長に内定された金碩基ソウル警察庁長に対する早急な問責論を繰り返し主張したと朝鮮ドットコムが報道した。これは「先真相究明、後責任追及」という党の公式立場とは背馳することだ。
洪院内代表は、記者と会って「金碩基内定者が決断を下さない場合、来月の争点法案の処理が難しくなる」と言いながら、「昨日(早急な退陣を)話した。そのように行くほかはないだろう」と話し、早期退陣要求を言い続けたそうだ。
洪院内代表は、「過激示威が過剰鎮圧を招いたが、速やかに(金内定者に対する)責任を問うと済むが、でなければ2月の国会が『金碩基国会』になりかねない」、「2月国会が『金碩基国会』になると全てがめちゃくちゃになる」と話したという。
洪院内代表は、前日の緊急最高委員会議でも、「事故経緯の如何を問わず今回の事態に対する責任者の問責がもう少し早くなされるべきだという要望がある」、「真相究明は司法的責任を問う時に出てくることであって、いわゆる政治的責任を問うべきの場合には真相究明以前に早く責任者を問責し、民心を収拾しなければならない」と話した。
結論から言えば、金碩基内定者が退くよりは、「国会乱動」を防げなかった洪準杓院内代表が議員職を辞めるのが国のためにもっと良いだろう。民心収拾といったが、正常な民心は圧倒的に火炎瓶を投げる暴力示威隊に批判的だ。いったい民心が警察に敵対的という彼の判断はどこに基づいているのか? 暴力におじけて慌てる姿だ。
洪準杓議員の卑怯で非原則的な対応とは対照的に、金碩基内定者は今日国会で堂々としていた。金碩基ソウル地方警察庁長は、「無実の市民たちが財産と生命に大きな威嚇を感じると判断して公権力の投入を決めた」と明らかにした。
金庁長は、この日の国会の行政安全委員会全体会議でこのように話した。
「占拠籠城者たちは、火炎瓶、塩酸瓶、レンガなどを警察だけでなく通行人に無差別に投擲した。警察がそれに対応するため交通も完全麻痺した。そのような状況で、巨大なパチンコ発射台を利用してビー玉とゴルフボールを無差別に発射し、火炎瓶を隣の建物に投げて放火するなど、とうてい黙過できない状況だった。警察としては、もしこれをそのまま放置し時間を遅滞すれば無実の市民が生命と財産に大きな威嚇を感じると判断して公権力を投入すべきだと考えた。」
彼は、「時間を戻しても同じ方法で鎮圧するのか」というハンナラ党の柳政鉉議員の質問に、「警察の任務は国民の生命と財産を保護するのが任務」とし、「不法行為のため多くの国民が威嚇を感じるなら警察はそれを止めなければならない。ただ、もっと安全に留意する」という立場を明らかにしたと聯合ニュースは伝えた。
聯合ニュースによれば、金庁長は、「これから遵法的な集会や示威は警察が徹底に保護し、国民の意思がよく表現できるようにもっと支援し保護するようにしたい」としながら「だが、不法暴力示威に対しては厳正対応の方針を一貫して維持する」と強調したという。
洪準杓院内代表は、不法籠城者を被害者に、警察を加害者だと考えるようだ。警察官も1人が死んで、10人余りがケガをした。シンナーや火炎瓶は殺傷用だ。これを使うのは理由如何を問わず爆弾を投げるテロ行為と同じだ。警察の今回の鎮圧行為は適法だった。もし、警察が鎮圧を遅らせ、火炎瓶による被害がもっと増えたとすれば、洪準杓代表は、「なぜ顔色を窺うのか? 内定者は辞めろ」と言ったかも知れない。
警察庁長は任期制だ。「ロウソク乱動」の時、ハンナラ党が全く応援してくれない中で500人以上が負傷しながら、ロウソク示威を止めて政権を護ったのが警察だった。その警察の魚清秀庁長を任期満了前に退くようにするのも警察の志気を落とすことなのに、新しい庁長に内定した人を就任もする前に辞めろというのは警察だけでなく国家と国民に対する背信行為だ。
洪準杓氏の言動を見ると恒心もなく、原則もなく、憲法精神も、遵法精神もないようだ。まったく見当がつかない言動に頭が眩むほどだ。
彼は2年前、大韓民国憲法の心臓である第3条の領土条項を改正して北韓を国家として認定しようという「反憲法的-反統一的-反国家的主張」をした。北韓を国家として認定すれば統一が不可能だ。わが憲法は、北韓政権を大韓民国の領土の北韓地域を強占している反国家団体だと規定する。ここから北韓地域を修復する自由統一の論理的根拠が出る。北韓地域を領土でなく放棄すべきだと発言した人は、統一をあきらめなければならないと言ったのと同じだ。憲法精神と国家のアイデンティティを否定する人は国会議員の資格がない。法に対する常識的判断があっても憲法3条は改正不可の事項であることがよく分かるはずだ。
憲法の重要性が分からないから、法秩序の重要性も分からないではないだろうか?
洪準杓ハンナラ党院内代表は、昨年7月北韓軍が金剛山で韓国人観光客を射殺した直後、突然、北韓側に南北議会会談を提案した。金容甲前議員はこれに対し「あまりにも純真な考えだ」と一蹴し、「北韓に政治がいったいあるのか? 北に人民委員会はあるが、それは完全に操り人形ではないか? 今国民が銃で殺されたのに、この問題を優先的に解決して対応する考えもなく、度々そんな提案をするのは誤りだ」と批判した。韓国の国会は民意の殿堂だが、北の議会(最高人民会議)は独裁者のアクセサリーだ。ダイヤモンドとゴミを混ぜるという提案を、それも韓国が被害を被った時にやったから、大小緩急を区分できない行為だった。
洪氏は、瞬発力はあるが、理念的信念や原則が全く感じられない。特に去年の年末国会の時は少数野党の暴力に振り回され降参してしまった。彼は、金碩基内定者にも、自分のように暴力に降参しろと無理に押し付けている格好だ。
「龍山事態」の本質は、不法と公権力の対決だ。洪氏は、警察庁長官内定者を不法と暴力の前に犠牲の羊で捧げようとする。彼は、真実がどうであれ関係なくまず(警察庁長の)首を切って反対勢力をなだめようという形だ。韓国の不法暴力勢力がその程度で満足すると思うのか? 洪準杓類の日和見主義的姿勢は彼らから軽蔑を受けるだけだ。
真実こそ最も大きな説得力だ。政府・与党は、事件の真相を正確に把握し、国民に報告することで理解を求めなければならない。真実はどうでも関係ないからまずうつ伏せて様子を見ようというような対処方式は、奴隷根性か魂のない植民地官僚がやることだ。
この事件の責任の所在を糾明する基準は、真実と憲法と人命だ。真実を無視した正義(法)は、自由を護れない。政府が事件の真実を知らせれば、世論が合理的に判<span lang="JA" style="font-family: |