自由アジア放送
金正日国防委員長の健康不安で北朝鮮で権力継承をはじめ、内部変化が起きても、危険よりは改革の機会をむかえる可能性が大きい、とアレクサンダー・バーシュボウ前駐韓米国大使が展望しました。朴・ジョンウ記者が報道します。
バーシュボウ前駐韓米国大使は、12月5日、ワシントンの韓米経済研究所が主催した講演会で、健康が悪化した金正日委員長を承継する北朝鮮政権は、金日成父子に対する偶像化を捨て政治・経済的な内部改革を断行する可能性があると言いました。
2005年10月から今年9月まで3年間、駐韓米国大使を勤めたバーシュボウ前大使は、金正日委員長の有故(退場)は、外部世界に危険な事態よりはむしろ機会としてやって来ることもあり得ると話しました。
だが、バーシュボウ前大使は、今は金正日委員長がいつか死ぬという事実の他は何も確実でないだけに、韓・米両国が、北朝鮮をめぐるあらゆる「急変事態」に徹底に備えることが大変重要だと話しました。
バーシュボウ前大使は、特に北朝鮮が南北間の陸路を通じた往来を遮断し、米国のみを相手にして韓国は相手にしないといういわゆる「通米封南」政策を行っていることに対して、アメリカ政府が、「通米封南」政策が北朝鮮の利益のみを害し、時間の浪費であるだけだ、という点を北朝鮮に明確にしなければならないと強調しました。
バーシュボウ前大使は、オバマ次期米国行政府の下で、「北核」問題をめぐって韓・米両国間で異見があるという憂慮に対しては、むしろ韓・米両国が類例のない一つの声を出すことができると言い切りました。
バーシュボウ:「北朝鮮に対して現実的な接近をするという側面で、オバマ次期米国行政府と李明博政府の対北政策には差がありません。むしろ、ワシントンとしては盧武鉉政府や金大中政府の下では例を見られなかった程、韓・米両国間で政策共調ができるはずです。」
バーシュボウ前大使は、韓・米両国が緊密に共調(協調)し、北朝鮮が核武器を保有するか国際社会と正常な関係を結ぶかの二つのうち一つを選択せねばならない、という点を金正日委員長に明確にすることができると展望しました。
一方、バーシュボウ前大使は、在任中起きた、アメリカ産牛肉の輸入に反対する韓国民の示威が、「疑う余地もなく自分の外交官生活の中、最も奇異で当惑した経験」だったと回顧しました。
バーシュボウ前大使は、当時アメリカ産牛肉をめぐる韓国民の反感のため、自分と自分の妻がほぼ自宅軟禁の状態に置かれたようだったと話しました。
バーシュボウ前大使は、この講演の中で、盧武鉉大統領とブッシュ大統領が、2005年11月の慶州での頂上会談で、1時間以上論争を行った事実も公開しました。
バーシュボウ:「アメリカがバンコ・デルタ・アジア銀行の北朝鮮口座を凍結したことに対して、盧武鉉大統領は大いに憂慮しました。両国の首脳がこの問題を置いて激しい論争を1時間以上続けました。結局、当時の慶州での韓・米頂上会談は、歴史上最悪の韓・米頂上会談として記録されました。」
バーシュボウ前大使は、ヒール国務省次官補と「北核問題」を置いて意見差をあらわしたという評価に対しては、駐韓米国大使館が北核問題と関連して国務省に送った建議が受け入れられない場合はあったが、対話を通じて北朝鮮の核問題を解決するということで意見の差異がなかった、と話しました。
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