8月18日インタービューした脱北者の金・ソンイル(48歳、2008年4月脱北)氏は、「どうか、韓国からの対北支援を止めてほしい」と訴えた。対北支援は、住民たちと関係なく金正日と特権層の腹だけを肥やすということだ。むしろ金正日と特権層の気を生かし、改革・開放の誘引力をなくすのが対北支援であると言った。北朝鮮同胞を助けたいなら、支援を断つべきだという話も付け加えた。北朝鮮自らが変化する道へと誘導しなければならないということだ。
金氏は、北朝鮮問題の解決法は、「民が嫌気がさすようにすることだ」と言った。北朝鮮が「ワク!」と牙を剥き出すと、韓国側がおとなしく下がるから、クセが治らないということだ。
彼は、4月に脱北した。対北支援が中断したら、チャンマダン(市場)米が5000ウォンまで値上がりした。「すこし待てば、住民たちの渡江行列が続き、党も気を取り直すはずなのに、韓国から50万トンの米が入ってきた!」、金氏の表現を借りると、「金正日は再び意地を張った!」
彼は、「政府でも民間でも、対北支援は絶対駄目だ」と言った。「北朝鮮の人を助けたいなら、脱北者らを助けなさい」と言った。脱北者たちこそ、北朝鮮に本当に苦しい民を助ける道を知っているといった。
宋復前延世大学教授は「太陽政策」でなく、「厳冬政策」を実施してこそ、北朝鮮が変わると話した。金氏も膝を叩いた。
「北朝鮮は2007年社会安全部の布告を通じて『三人が集まって酒も飲むな』と指示しました。それほど不満が高まったのでしょう。北朝鮮の人々、恐ろしくて話せないだけで、みな金正日を捨てました。忠誠心などはもはやありません。対北支援を中断してみて下さい。金正日の恐喝さえ効かないようにしておけば、脱北者らが90年代の中盤のように中国へ脱出するはずです。そのようなことが再び生じると北朝鮮は必ず変わります。金正日が変わるか、周辺が変わって、金正日を追い出すか北朝鮮住民に生きる道が開かれるはずです。金正日の恐喝で韓国からの対北支援が続く限り、北朝鮮住民の苦痛は永遠に無くならないでしょう」
金氏は北朝鮮で電気なしで暮らした。「カンソル」という松枝に火をつけてご飯を炊いた。自動車用のバッテリーで電球をつけたりもしたが、幹部らから問責を受けて奪われた。
脱北してタイを経た彼は、当時の様子を「天国のようだった」と描写した。だが、「仁川空港に着いてみると、同じ民族が片方は地下で100階、片方は地上で100階になった」と話した。
子供らだけでも奴隷のような人生を延長させたくなかったという金氏は、残っている自分の親戚や友人、同僚らを心配しながら話を続けた。
www.chogabje.com 2008-08-19 22:33
金成昱 |