社会の周縁部で生きる人々の声を伝えるラジオ番組「この世界のかたすみから」が、15日からTOKYO CITY FMで放送を開始した(毎月第3日曜日の予定)。パーソナリティを務めるのは、多文化共生社会の課題を専門とする金泰泳・東洋大学社会学部教授(日本名:井沢泰樹)。第1回放送では、「緊急避妊薬(アフターピル)」の薬局販売(OTC化)を巡る社会的葛藤に注目した。
番組の中で金教授は、今年2月から処方箋なしでの試験運用が始まった緊急避妊薬について、制度改正の背景にある「自己責任」を問う社会の空気に言及。望まない妊娠を防ぐ選択肢が、当事者の心身を守る重要なセーフティネットとなることを語った。
番組内では、実際に薬を使用した女性の声も紹介され、パートナーとの対話の欠如や一人で受診する際の孤独感など、数字やルールだけでは見えてこない個人の実態などが伝えられた。
オンラインで「在日コリアン精神障がい者の家族会」を運営する在日3世の夫俊翔氏は、「私は在日コリアンの立場では、社会のマイノリティー(少数派)の側に立つが、「男性」という点では、逆に社会のマジョリティー(多数派)の側にいることを改めて実感した。ラジオを通して、避妊は女性だけでなく、男性の問題であることを痛感させられた。金先生の放送が、社会で孤独を抱えるマイノリティー当事者の希望となり、さらにはマジョリティーの側にいる非当事者にも届くことを期待する」とコメントしている。 |