コリアタウン新大久保で7日、2回目の開催となる〝未来構築〟フォーラムを実施した新宿韓国商人連合会(鄭宰旭会長)。緻密な実態調査発表に続き、地元の大学生らが登壇、若い感性でこれからの新大久保を問うプレゼン発表などを繰り広げた。
産官学連帯し活性図る
一般社団法人「新宿韓国商人連合会」は桜美林大学新宿キャンパスで7日、「新大久保未来構築フォーラムin 2026」を開催、新宿区に拠点を置く在日社会の新旧定住同胞、日本の政財界関係者、会場を手配しプレゼンテーション発表も担った大学の関係者、公演を担ったK-POP・J-POPアイドル、一般の参加者など、約150人が会場に集まった。
■地域の首長らが意見交換
第1部では、同会の鄭会長が半年間にわたり実施した「2025年新大久保実態調査」の結果を報告。鄭会長は、ヘイトスピーチの影響で店舗数が激減した11年からの数年間を「闇の時代」と定義。しかし、その後のV字回復により、現在は1042店舗(うち韓国系697店舗)と過去最多を更新したと報告。「科学的データに基づく街づくり」の必要性を訴えた。
続いて第2部のパネルディスカッションでは、新大久保をけん引する当事者たちが本音で語り合った。司会を金世煥・淑徳大学教授が務めた。
7日、約150人が参加した「新大久保未来構築フォーラムin 2026」第2部のパネルディスカッションのもよう
はじめに司会からコリアタウン新大久保の経緯などについて発言が求められた大橋宗之祐・新大久保商店街振興組合理事長は、1970年代からの街の変遷と、「音楽の街」というルーツを紹介、今日までの変遷について総括した。
続いて発言した西山守・桜美林大学准教授は、フィールドワークを通じて「現場の商売から学生たちが学ぶ意義」を強調。産官学連携が単なる教育の域を超え、街の活性化のエンジンになっていると語った。
金奎煥・在日本東京韓国人連合会首席副会長は、昨年10月に開催した「TOKYO KOREA TOWN FESTIVAL」で実行委員長を務めた経験の中から、韓日国交正常化60周年と連動して大きなイベントの展開を行った上での、地域の課題と展望について述べた。
一般社団法人「世界韓人経済貿易教会東京支会」の鄭景元会長は、組織を超えた「連帯」の重要性を強調。世界70カ国に広がるネットワークを背景に、新大久保を世界とつながるハブと捉える構想を語った。
■大学生発表の斬新な提案
第3部の報告では、桜美林大学と淑徳大学の学生らが、フィールドワークの成果をそれぞれ報告した。桜美林大学の発表では、加盟店の魅力を伝えるSNS発信や、英語版「にぎわいマップ」の作成、小学生のイラストを活用した地域密着型の情報発信など、実務的なソリューションを提案。デジタルネイティブ世代らしい実行力を示した。
一方、淑徳大学の発表者たちは、「新大久保はコリアタウンではなく、多文化共生タウン」と捉え直すべきとした大胆な反問を投げかけた。韓国系店舗が主流でありつつも、働く人々や居住者の国籍は多様化していると指摘。特定の国籍に依存しない、新たな「共生モデル」への転換を促した。以降、質疑応答の場で商店街関係者や大学教授らから、3月末の休日に予定されている大久保通りの「歩行者天国」試験実施など、混雑緩和に向けた具体的なロードマップも提示された。
鄭会長は、「学生たちのフラットな視点は、我々商工人が気づかなかった街の可能性を示してくれた。新大久保を国籍の幅を超え多様性が輝く『未来型多文化共生モデル』として構築していきたい」と総括した。
第4部は韓日アイドルグループによる公演の場となり、新大久保らしい魅力を参加者らに伝えた。
第4部のK-POPアイドルグループ「MY ONE」の公演風景 |