先月から今月にかけ、一般社団法人「在日韓国商工会議所」(柳和明会長)を中心にした各地の韓国商工会議所で、定期総会が相次いで開催している。今回は、大阪・埼玉・東京での総会の様子を取材、新たなプラットフォームの策定など、今日的な課題に取り組む在日韓国商工人たちの現況を伝える。
ビジネス通じ韓日親善図る
大阪韓国商工会議所(朴良基会長)は大阪市内のヒルトン大阪で先月14日、「第72期定期総会」を開催、在籍83人中32人出席と48人の委任状により成立した。
先月14日、再選を果たした朴良基・大阪韓国商工会議所会長が所信を述べる(大阪韓国商工会議所提供)
朴良基会長は「韓日国交正常化60周年という歴史的な年にあたるが、両国は様々な困難を乗り越え、交流を深めてきた。今後も新たな協力と友好を築くために尽力していきたい」などと述べた。
前年度事業報告、決算報告、今年度活動方針案、予算案などが満場一致で承認、採択された。任期満了に伴う役員改選では、朴会長が再任された。
総会終了後、同じ会場で懇親会を開催、約100人が参加した。(大阪=韓登)
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埼玉韓国商工会議所(徐祥赫会長)はさいたま市内の銀座アスター浦和賓館で3日、「第41期定期総会」を開催、在籍54人中15人出席と29人の委任状により成立した。
前年度事業報告と決算報告、今年度事業計画案と予算案が満場一致で承認された。役員改選では徐会長が再選を果たした。
埼玉韓商は昨年11月、創立40周年を記念しゴルフ大会を開催、記念誌を発刊したとの総括報告があった。徐会長は主催者あいさつの中で、休会状態が続いている青年会の活動再開が埼玉韓商活性化のため重要になると、次世代育成に向けた方針について意見を上げた。
来賓として参加した柳和明(一社)在日韓商会長が激励辞を述べ、白守義・在日本大韓民国民団埼玉県地方本部団長が祝辞を贈った。
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東京韓国商工会議所(金淳次会長)は新宿区の京王プラザホテルで5日、「第64期定期総会」を開催、在籍83人中33人出席と33人の委任状により成立した。
前年度事業報告と決算報告、今年度事業計画案と予算案が満場一致で承認された。
埼玉韓商の総会と同様、来賓として参加した(一社)在日韓商の柳会長が激励辞を述べ、呉永錫・民団東京本部団長が祝辞を贈った。
■AI活用ノウハウで講演
東京韓商では定期総会の開催に先立ち、崔聖植副会長による講演「記録×AI‥組織の知を未来に活かす戦略的アーカイブ事業のすすめ」を行った。
崔副会長は、東京韓商の創立60周年記念誌編集委員会の委員長を務めた自身の経験を語り、在日同胞社会の歴史・記録保存のためにも重要であるAI活用の具体的なノウハウについて、参加者向けに具体的でわかりやすい説明を行った。
講演を聴いた郭玹瑀・在日本大韓民国青年会東京地方本部会長は、「記念誌作成を通じ、AI活用まで含めたDX(デジタル・トランスフォーメーション)へと果敢に取り組む崔副会長の姿勢に感動した。単純な業務の外注ではなく、デジタルアーキビストの資格を取得し、行政書士の仕事と照らされながらAI使用の利点と課題について、双方を意識したお話しを聞くことができ、非常に勉強になった」としている。
崔副会長は、「在日同胞社会がこれまで発行してきた記念誌の類も決して量が多いわけではない。デジタルアーカイブはアプローチしやすいツールであり、新しいビジネスチャンスを開拓していくプラットフォームになると期待している」と展望を語った。
5日、行政書士でデジタルアーキビストの資格を持つ崔聖植・東京韓国商工会議所副会長の講演の様子
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